( ´_ゝ`)魔王が世界を征服するようです



256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/12(火) 23:49:43.17 ID:P7VHzQpv0
ほうほう、ほうほう。 
 
 
 
( ・∀・)「ほうほう、魔王の城はこのようになっているのか」

独り言を喋りながら、城の内部をあさっている人間に、
城に住み始めた魔物たちは、怪訝な顔をした。

( ・∀・)「お、『ツボが濃縮クリアポーションをくれました』!」

そんな顔で見られているのも構わずに、
モライドはツボの中や本棚など、隅から隅まで覗いては立ち去っていく。

魔王が自分の存在を許している以上、
この城の魔物に襲われる心配はないと知っているのだ。

( ・∀・)「えーっと、こっちが図書室で……こっちは……なんだろう?」




257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/12(火) 23:51:38.63 ID:P7VHzQpv0
うろうろと歩いていくと、やがて廊下から魔物の気配が消えた。
魔物がいない、ということは、この城の中でも隔離された場所。ということだ。

( ・∀・)「うひひ、宝箱とかないかなー」

歩いていくと、誰かの声が聞こえる。
はじめは小さいうめき声のようなものだったが、
大きくなるにつれて、助けを呼ぶ声に変わっていった。

「誰か……誰かいないのか……!誰か……!」

( ・∀・)「あらら?何かあったのかな」

モライドはその声のする扉を開けた。
他の扉とは一味違う質感で、見るからに『特別』な部屋に感じる。




261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/12(火) 23:56:44.01 ID:P7VHzQpv0
その中もやはり豪華なところだった。
だだっぴろい部屋、入ってすぐは寛げるほどの広さ。リビングのようになっていた。
更に奥へと行くと、これまた豪華ベッドが置いてある。

その大きさと言ったら、体の大きな魔物でも寝れるほどでかく、
普通の大人でも2・3人が体を大の字にして横になれそうなほどだった。

(;´_ゝ`)「だ、誰かー!!誰……あっ、モライド!丁度良いとこに……」

そこの真ん中に、兄者がちょこんと顔を出して寝ていた。
仰向けになって、布団の中で手足をばたつかせている。




263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:00:04.04 ID:Kr1sGG030
( ・∀・)「魔王、何やってるの?」

(;´_ゝ`)「それが、布団から抜けなくなってしまって」

布団の真ん中が、もっこりと飛び出しているのは一目瞭然だ。
そこに昨日ささった剣があるのだろう。
そして、上に伸びているということは、反対側はベッドに刺さっているはずだ。

(;・∀・)「なんてアホな……」

(;´_ゝ`)「昨日寝るときはちゃんと横向いて寝てたんだよ!
      でも寝返りしたときに刺さってしまったらしくて」

だから早く抜いてくれ、と頼む兄者に、
モライドはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべる。




264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:02:22.41 ID:Kr1sGG030
( ・∀・)「いやー、他人にモノ頼むときに、
      そんなえらそうな態度はないんじゃない?」

(;´_ゝ`)「なんだとっ!俺はこれでも魔王だぞ!
      偉そうな態度をとって何が悪い!」

( ・∀・)「じゃあ部下にでも頼めば良いじゃない?
      僕、魔物じゃないから、魔王に使える理由ないし」

それじゃ、またね。ときびすを返す。
兄者は慌ててモライドを引きとめた。




265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:05:17.62 ID:Kr1sGG030
(;´_ゝ`)「す、すまん!頼むから、これを抜いてくれ!」

( ・∀・)「はいはい上から目線」

(;´_ゝ`)「頼む、抜いて下さい」

( ・∀・)「頼むっていう言葉自体が、僕を下に見てるってことだと思うんだよねー」

(;´_ゝ`)「お願いします!抜いて下さい!」

( ・∀・)「言葉に感情がこもってない。
      嫌々言ってる感じがするねー」

(#´_ゝ`)「じゃあなんて言えばいいんだよっ!」




269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:10:07.29 ID:Kr1sGG030
( ・∀・)「心から僕にお願いすれば、
      抜いてあげなくもないって言ってるんだよ?」

(#´_ゝ`)「心からって何だよ、俺がこんなに頼むって言ってるのに……」

( ・∀・)「ほら〜そうやって逆切れとかするし。
      ま、別な魔物に頼んでちょーだい」

(;´_ゝ`)「あ、ま、待て!すまん!謝る!」

( ・∀・)「謝るときは、ごめんなさいでしょ」

(#´_ゝ`)「ごめんなさい……」

( ・∀・)「で、何?」



兄者は少しの間考えてから、こういった。

( ´_ゝ`)「>>277




277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:13:49.52 ID:8s1E0686O
俺の! ケツを! いつでも掘っていいですから!!




287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:18:36.56 ID:Kr1sGG030
(;´_ゝ`)「俺の!ケツを!いつでも掘っていいですから!!」

(;´_ゝ`)「だから布団から剣を抜いて下さい!」

( ・∀・)「………」

ふむ。とモライドは腕を組んで考えた。
そして溜息をつく。

( ・∀・)「……それが君の誠意?」

(;´_ゝ`)「ぜ、全身全霊の誠意なんだけど……」




295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:24:52.50 ID:Kr1sGG030
( ・∀・)「うーん、しょうがないなぁ、そこまで言うなら……」

モライドはベッドによじ登って、
そこにエクスカリバーのごとく刺さっている魔剣を引き抜く。
魔剣にくっ付いて兄者が体を起こした。

(;´_ゝ`)「う、うへぇ……助かった……」

( ・∀・)「いつからああやってたのさ」

( ´_ゝ`)「かれこれ5時間前から……。
      寝返りができなくて背中痛かった……」

( ・∀・)「そりゃ大変だったね」




300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:34:48.51 ID:Kr1sGG030
ははは。と笑うモライドが、急に兄者の手を取った。
首を傾げる兄者をしり目に、兄者の手を自分のズボンの中に突っ込む。

(;´_ゝ`)「ぎゃあ!何するんだお前!」

兄者は、手の平に嫌な感触がして、顔を真っ青にした。
手を引き抜こうとするが、モライドの手がそれを許さない。

兄者の手に自分の手を重ねて、それを揉み始める。

( ・∀・)「ほらほらほらほら」

(;´_ゝ`)「ちょっ!やめっ!うへええ気持ちわりいいい!」

半分涙目になった兄者を見て、モライドはぱっと手をはなす。
兄者は即効で手を引き抜いて、近くのタオルで手を拭いた。





309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:40:35.43 ID:Kr1sGG030
( ・∀・)「まったく!これくらいで嫌がってるくせに
      『いつでも犯してください……待ってます』なんて100年早いよ!」

(;´_ゝ`)「………」

「そこまで言ってないんだけど」と言おうとして、兄者は口をつぐんだ。
仁王立ちをしているモライドの異変に気付いた。

( ・∀・)「ちょっと聞いてる?」

そして、モライドも兄者の様子に気がつく。
なるべく目を合わせないようにしている、兄者の。

(;´_ゝ`)「モライド……」

( ・∀・)「ん?」

(;´_ゝ`)「勃ってる」

モライドは下を見た。
そして「きゃっ」と言って股間に手を当てる。



(*・∀・)「オニイチャンエチー」

兄者は床に手をついて項垂れた。




317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:47:36.07 ID:Kr1sGG030
 


(*・∀・)「ま、剣が抜けるまで掘るのは待ってあげるよ。
      じゃないとそいつが邪魔で邪魔でしかたないからね」

と、モライドに死刑宣告のようなものを言われて、
兄者はモライドと廊下で別れた。

玉座の間へ行く兄者と、まだまだ城を詮索したいモライドでは行き先が違う。


(;´_ゝ`)「はあ、そうっすか……」

自分で言っておいて難だが、
一生剣をつけてても良いかもしれない。と兄者は思った。

モライドが生きているかぎり、剣を抜いたらヤられる。
殺されるの意味ではなくて、性的な意味で。





321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:50:18.40 ID:Kr1sGG030
くたびれた様子で、兄者は玉座の間へと入った。
そこにはいつものメンバーが寛いでいる。

少し変わったところと言えば、
玉座の間の前で、面識のない魔物が見張りをしだしたくらいだろうか。

(*゚∀゚)「おっ、魔王おは!」

(*゚ー゚)「おはよ〜」

ノパ听)「おはようございますっ」

( ФωФ)「おはようございます」




324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:53:22.59 ID:Kr1sGG030
初期メンバーが次々に声をかけてくる。
玉座の前まで行って、ようやく弟者が挨拶をした。

(´<_` )「おそよう」

弟者は組んでいた足を元に戻して、ゆっくりと立ち上がった。
そして左の肘掛に座りなおして、まぁ座れ。と促す。
兄者は項垂れた。

( ´_ゝ`)「一応……そこ俺の席なんだけど……」

(´<_` )「え?ああ、そう、あれだ、あっためてたんだよ。
      冷める前にありがたく座れ」

冷める前に早く食べなよ。
と同じイントネーションで即興の言い訳を答えられた。




329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 00:58:51.44 ID:Kr1sGG030
( ´_ゝ`)「………」

これ以上言っても無意味だと悟った兄者は、大人しく玉座に座る。
「顔色悪いけど、どうした」という弟者の問いを溜息で返す。

(;´_ゝ`)「うわぁ……生あったかいなりぃ……」

自分が座っている時は気付かなくても、
他人の座った温かさは気味の悪いものだ。



座ってみると、高い場所にある玉座からはその部屋全体が見渡せる。
すると、ヒートが何かを書いているのが目に入った。




333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:03:38.40 ID:Kr1sGG030
こんなところで何を書いているんだろう。
そう思ったが、中々懸命に書いている姿に違和感を覚えた。

その後ろではしぃが、その中身をみて「くすくす」と笑っている。

( ´_ゝ`)「なーヒート、それなんだ?」

ノハ;゚听)「おおうっ!?」

集中していたのか、声をかけられたことに驚いてヒートが飛び上がった。
それをまたしぃが「くすくす」と笑う。

ノハ*゚听)「これか?これはだな、これはですね、伝記のようなものだす!」




335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:08:46.58 ID:Kr1sGG030
( ´_ゝ`)「伝記?」

ノパ听)「はい!このような形ですが、魔王と接してきて、
     魔王が本当は人間の思っているように、悪い存在ではないと知りました!
     しかし、勘違いをしている人間が沢山居ます。
     だから私は、そのような人々に、魔王や魔物の素晴らしさを
     広げようと思い、この、半ノンフィクション小説を書いているのです!」

( ´_ゝ`)「へえ……ヒートってすごいなぁー」

ノハ*゚听)「ありがとうございます!魔王もお一つ読んでみては如何ですか!」




336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:11:25.16 ID:Kr1sGG030
ノハ*゚听)「はい。これが第一巻から第五巻までです」

と本を手渡された。中には字がぎっしりと詰まっている。

兄者はぱらぱらとそれを捲る。
すると、一番最初の、前書きに

\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/


こ こ か ら 超 濃 厚 な ホ モ ス レ に な り ま す。


           ご 期 待 く だ さ い ! !


/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\

と書いてあった。

(;´_ゝ`)「は……!?」



これ以上進むのは非常に危険な気がする。

本を読みますか?
読むのをやめますか? >>445




339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:13:03.75 ID:Kr1sGG030
ああごめん>>345




345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:16:59.97 ID:Lr4R8EeL0
大声で朗読する




350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:27:04.30 ID:Kr1sGG030
この前書きはおかしい。
しかし、魔王の素晴らしさを広げようとした、半ノンフィクションの話なはずだ。
半分は本当のことと言っているはずだ。

(;´_ゝ`)(変なことをかかれてたら嫌だしな……)

兄者はぺらぺらと紙をめくって、適当なところを読み出した。




( ´_ゝ`)「えー……魔王は俯いた。そして左手でマントをぎゅっと掴む」

(´<_` )「兄者……本を読むのに朗読するのは小学生までだぞ……」

(;´_ゝ`)「う、うるさいな!小説は読まないと上手く理解できないんだよ!」




353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:34:21.59 ID:Kr1sGG030
( ´_ゝ`)「『弟者……俺、俺、どうすれば良いんだ……?』
      魔王の瞳から涙が零れるのを見て、弟者が微笑みながら頭を撫でた。
      『兄者の好きなようにすれば良い。俺は、ずっと付いていくから……』
      抱きしめられた腕は温かくて、魔王は更に涙を流す。
      弟者がその涙を舐め取った。くすぐったそうに魔王が笑う。
      2人は見詰め合って、そのままキスをした。
      長いキスだ。時折、静かなこの間にくちゅりと卑猥な音が響く。
      そのうち魔王は堪えきれなくなって、潤んだ瞳で弟者を見上げた……」

(´<_` )「うわぁ……」

(;´_ゝ`)「な、な、なんだこれ……!?」

兄者は思わず第一巻を放り投げた。
そして第二巻の真ん中あたりのページを開く。




358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:42:22.02 ID:Kr1sGG030
(;´_ゝ`)

「『魔王……!こんなところで会えるなんてな!』

勇者が魔王に斬りかかった。
巨大な剣が魔王に襲い掛かる。

『まて、勇者……話し合いがしたい!』
『話し合うことなど、何があるというのだ!』

再び勇者が斬りかかる。
魔王はひらりとそれを避けた。

『俺は平和を望んでいるのだ!人間と魔物は、これからきっと近づける!』
『魔王の言葉に、俺が惑わされると思っているのか!』
『嘘などではない!本当だ!』

そう言って魔王は、剣を投げた。
丸腰のまま、地に膝をつける。
そして、手の平を見せた。

『これが俺の気持ちだ……』
『ほう……?』

攻撃する気はない。という証だ。
勇者は面白そうに口を釣り上げた。




361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:49:03.53 ID:Kr1sGG030
『それなら、誠意を見せてもらわないとな』
『誠意……?』

勇者が、魔王の首に剣先を当てた。
そして、つつ、と上に持ち上げる。
自然に魔王が上を向く形になった。

『そうだな……そこの樹に両手をつけ』
『わ、わかった……』

魔王は勇者の言うとおりに手をついた。
もしやこのまま斬られるのではないかという不安が魔王を襲う。
しかし、勇者が剣を地面に置いたので、魔王はほっと息を吐いた。

だが、本当の恐怖はこれからだった。
勇者が魔王の腰に手を這わせる。
するりと魔王の装備を剥いで、ローブを捲り上げた。

『な、何をする!』
『誠意を見せてほしいだけさ』」

(;´_ゝ`)「勇者は、勇者は魔王に……魔王に……」

( ;_ゝ;)「俺はこんなことされてNEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE」

( ;_ゝ;)「なんてことだ!どこが半ノンフィクションだ!!全フィクションじゃないか!」




363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 01:55:44.62 ID:Kr1sGG030
ノハ*゚听)「何を言いますか!全て魔王の話ですよ!」

ノハ*゚听)「2巻までは、今までの話が書いてあるんですが、
      3巻と4巻は魔王の過去で、3巻が100年前に勇者に封印された時の話で
      4巻が子供時代の話になってるんです!」

(#´_ゝ`)「おいおいおいおいふざけんなよ!
      何で俺しか知らないことを、長々とかけるんだよ!
      しかも勝手に人の過去を捏造すんなよ!」

ノハ;゚听)「なっ……!?何をおっしゃるうさぎさん!
      3巻とかすごい反響があったんですよ!
      そのおかげで、アンチ魔王が減ってます!
      むしろ感謝していただきたいくらいですよ!」

(#´_ゝ`)「誰が感謝するか!!」

兄者が2巻を放り投げると、
むっとしたヒートが3巻を手に取った。




366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:01:53.74 ID:Kr1sGG030
ノハ#゚听)

「『ひゃあ』と魔王が叫んだ。
ロマネスクに、急に背後から抱きすくめられたのだ。

『なんだロマネスク、おどかすな』
『魔王……我輩は、心配なのである』

耳元で囁かれて、魔王は苦笑した。
やんわりとロマネスク腕を下ろさせる。

『お1人で人間どもと会うなど……』
『大丈夫だ、向こうとて平和は望んでいるはず。
 このような無駄な戦など、早々に断ち切ってしまわねば』
『しかし!』




368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:11:17.93 ID:Kr1sGG030
それでも食い下がるロマネスクの胸に、魔王は顔を埋めた。
ロマネスクが、はっと息を呑んで抱きしめる。

(魔王とて、人間と対峙するのが恐ろしいのだ)

その恐怖を自分が煽ってどうするのだろうか。
愚かさに、自然と腕に力が入る。

『魔王……』
『ん』」

ノパ听)「名を呼ぶと、甘い声で魔王が顔を上げた。
     愛しさに、ロマネスクは口付けをする。」


(#´_ゝ`)「おい!いい加減にしろこのクソアマ!」

兄者が三巻をヒートから奪うと、
思いっきり力を込めて真っ二つに引き裂く。

そうしてぶんなげようとすると、
ヒートは「ひゃあ」と叫んで兄者の腕に食いついた。







(本の続きを読むには大量のわっふるが必要です。わっふるわっふると書き込んでください)





   369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:13:43.82 ID:ZKgwmVUw0
  はぁ?書きこまねーよ



   わっふるわっふる
   370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:14:34.95 ID:vYOZbiejO
   わっふるわっふる





   わっふる!
   371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:15:17.87 ID:ODi8A797O
    わっふるわっふる
   372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:16:06.06 ID:+5umvIGPO
   わっふるわっふる
   373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:18:26.63 ID:580Gb2nsO
   ちっ、しゃあねえな




   わっふりゃわっふりゃあああ!
   374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:24:59.69 ID:fMAYGI4HO
   わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
   わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
   わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
   わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
   わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
   わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
   375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:30:49.89 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:30:54.23 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:30:58.04 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:01.95 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:02.20 ID:am8DMP6Y0
   わ
    っ
   ふ
   る
   380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:05.06 ID:k+TOMAW+0
    わっふるわっふる
   381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:07.97 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:12.30 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:15.31 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:18.69 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:23.43 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:27.35 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:31.68 ID:k+TOMAW+0
  わっふるわっふる
   388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:35.29 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:38.55 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:42.53 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:51.44 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:54.60 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:31:59.56 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:32:03.06 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:32:06.92 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:32:12.33 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:32:16.75 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:32:20.75 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:32:23.86 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる
   400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:32:30.58 ID:k+TOMAW+0
   わっふるわっふる




401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:35:06.68 ID:Kr1sGG030
兄者はヒートに邪魔されながらも、
その三巻を投げ飛ばす。

ノハ;゚听)「何が気に食わないって言うんですか!」

(#´_ゝ`)「人のこと好き勝手書かれたら、誰だって怒るわ!!」

ノハ;゚听)「好き勝手など書いてません!
      私は魔王のことを忠実に……」

(#´_ゝ`)「おまえのは伝記でも小説でもない、
      ただの二次創作っていうんだよ!しかも悪質な!」

ノハ;゚听)「嫌なら見なければ良いじゃないですか!」

兄者はその言葉が、変な変化球を投げられたようで、
一瞬理解できず、言葉に詰まった。




403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:41:07.65 ID:Kr1sGG030
ノパ听)「前書きに、注意書きが書いてあったの、魔王も見たじゃないですか。
     それ以上を読んで文句を言うなんて、おかしいですよ」

(#´_ゝ`)「はぁっ!?」

確かに、そんなもの書いてあった。
書いてあった、が。

ノパ听)「それを読んでから見たんだから、それ以上は自己責任です。
     嫌なら見るな。嫌なら見るな。常識でしょう」

(#´_ゝ`)「そんなの、か、書いてあったら見ちゃうにきまってるだろ。
      しかも、自分に関することなんだから、余計……」

ノパ听)「……そうですか、魔王は私の書いた本に不満がある。
     なら、見なければ良い。それだけです。
     わざわざ投げ飛ばす必要もないんじゃないですか?」

ヒートは足元に散らばった本を拾いながら言った。
少し、唇が歪んでいる。




404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:46:41.40 ID:Kr1sGG030
(#´_ゝ`)「そ、それにしたって、おまえ、俺に聞こえるように朗読したじゃないか!」

ノパ听)「嫌なら、耳を塞ぐか何かすれば良いじゃないですか」

(#´_ゝ`)「塞いでたって、聞こえるものは聞こえるだろう」

ノパ听)「そこまで、私には責任取れません」

ツン、とソッポを向いたヒートに、
兄者はわなわなと震えながら呟いた。



(#´_ゝ`)「おまえ……出てけよ」

ノパ听)「え?」

(#´_ゝ`)「俺の前に、二度と顔を見せるな、
      そうでなければ、死体も残らないと思え」




405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:49:26.32 ID:Kr1sGG030
ヒートは下唇をかんだ。
諦めて出て行くかと兄者は思ったが、続く言葉は呪いの言葉のようだった。

ノパ听)「ああ、そうですか、魔王は昔、人間にもてあそばれたから
      私にそうやって辛く当たるんですね。
      人を殺そうと思うんですね」

( ´_ゝ`)「は?」

ノパ听)「子供の頃に【     】や【     】を無理やり……。
      心に傷を負った。可哀想な魔王……」

その言葉があまりにも突拍子もなくて、
魔王は苦虫を噛み潰したような表情をした。




407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 02:56:37.72 ID:Kr1sGG030
( ´_ゝ`)「おい、誰か、こいつを外に放りだせ」

兄者が怒気を含んだ声を震わせた。
そのやりとりを、ハラハラと見ていた魔物らが顔を見合わせる。

(#´_ゝ`)「誰かっ!こいつを放り出せ!」

泣きそうな顔で叫ぶ兄者を見て、
ロマネスクが慌てて駆け寄った。

(;ФωФ)「ヒート殿、魔王の命令である」

ロマネスクに捕まり、引っ張られると、ヒートが兄者の剣を掴んで抵抗した。




409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 03:03:12.17 ID:Kr1sGG030
ノハ ;;)「嫌だ!嫌だ嫌だ!私はまだ魔王と一緒にいるんだ!」

ぎゅ、と掴んだ手は、簡単には剥がれそうにはなかった。
ロマネスクが必死に引っ張ると、
ヒートの掴んでいる魔剣と共に兄者がよろめく。

兄者が弟者の腕を掴むと、すぐに意図を理解して弟者が兄者を支えた。

ノハ ;;)「嫌だ!嫌だ!!なんで、勝手につれてきたくせに、
      またそっちの都合でこんな目に合わないといけないんだ!」

(#´_ゝ`)「ぐ……、そ、そんなの知るか……」

ロマネスクが引っ張る。
ヒートが抵抗する。

兄者が引きずられないように、弟者が兄者をひっぱり返す。




411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 03:08:25.06 ID:Kr1sGG030
ロマネスクが一段と力を強くすると、
怒りを露にしていた兄者が、次第に青ざめていった。

(;´_ゝ`)「ぐ……うう………」

腹の中が、ぶちぶちと音を立てている。
それは体内からする音で、まだ他の魔物らは気付いていないようだった。

だが、その音は確実に、兄者の体内を駆け巡る。

(;´_ゝ`)「うあ……くっ………」


「もういい、わかった」という言葉が喉元まで出かけた。
しかしここで自分が引くことは出来ない。
これほどまでに好き勝手なことを書かれて、許すなんてことができない。

だから兄者は必死に耐えていた。
早く、その手が離れないか、と思いつつ。




414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 03:17:13.10 ID:Kr1sGG030
(;ФωФ)「くっ……この、中々しぶといのである」

ロマネスクが力の限り引っ張った。
その気配を察知して、弟者もまた力を込める。

ヒートも腕に力を入れていたし、
普段剣を握っている手前、握力にも自信があった。


糸を引っ張って切れるとき、
その中心となるのは「一番脆い場所」である。




(;´_ゝ`)「あ゛っ……」

ぶち、と奇妙な音がした。
それをきっかけに、ずりずりと剣が抜かれていく。

気を失うほどの痛みだった。
自分の体の一部が、抜かれていく奇妙な感覚。
全てが抜かれたときには、兄者の腹にはぽっかりと巨大な風穴が出来ていた。

鼓動と共鳴するように、そこから溢れ出る血が強弱をつけて溢れ出る。





418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/13(水) 03:28:42.65 ID:Kr1sGG030
エクスカリバーもとい、魔剣を持ったまま、
ヒートはロマネスクに担がれ、玉座の間から退出した。
口に手を当てて傍観していたしぃも、後を追ってくる。


(´<_`;)「おい、兄者……大丈夫か?」

玉座の間に残ったのは、兄者と、それから弟者だった。
弟者は珍しく慌てた様子で、
ぐったりとした兄者を抱えて、ゆっくりと床に横にさせる。

傷口は心臓よりも高い位置にした方が良い、と言うが、
この場合は適用されるのかどうか一瞬戸惑った。

(;´_ゝ`)「大丈夫だ……ほっといてくれ……」

(´<_`;)「まて、流石にやばい、回復術使えるやつ連れてくるから」

そう言って、弟者が走って出て行った。
1人きりの玉座の間。
兄者は焦点の合わない目で、たった一つの扉を見つめていた。




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