( ´_ゝ`)鍋パーティーのようです(´<_` )




74 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 21:30:18.98 ID:jFtJDnWe0
(´<_` )ノ


女の子三人が料理を作ることになったので、俺たち男共は居間へ引っ込むことになった。
確かに、ろくに料理なんぞ出来ない奴がいても邪魔になるだけだろうが、何もしないというのは気が引けるな

俺以外の二人はまったくそうは思っていないみたいだったが

( ・∀・)「しかし美しい女性の手料理を食べれるなんてラッキーなことになったものだねっ!
     まぁ一番美しいのは私の妹だが」

モララーが胸を張ってそう切り出した。
妹自慢が始まると長いんだよなこいつ。
兄者は心配そうな顔をして台所の方を見ているだけで聞いてないし…何をそんなに心配そうにしてるんだ?

( ・∀・)「しぃの料理は美味しいよ、兄である私が言うのだから間違いないねっ
     その上気立てもよく可愛いしで男を立てでしゃばらない、私が言うのもなんだが
     あの子程の娘はそういないと思うよ!弟者くん」

え、俺に振るの?
気がつけばモララーは何故か姿勢をただしぎらついた目で俺を見据えている

(´<_`;)「…それはいいんだが、なぜ俺に言う?」

( ・∀・)「知っていると思うがねっ、私は妹が世界で一番可愛いんだ。
     あの子が悲しむのは我慢できないのだよっ!!」

75 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 21:33:38.63 ID:jFtJDnWe0
指を鼻先まで向けて大声で叫んだ。

(´<_`;)「それは知っているが…」

( ・∀・)「だからねえ、弟者くん、この際はっきりさせたまえよ!
     君という男は優柔不断にもほどがある!
     そんなことではしぃを幸せにさせることなど出来ないぞ!?大体君と言う男はだねぇ…」

(´<_`;)「おい、兄者、兄者ー! 黙ってないでこいつ何とかしてくれ!」

なんか俺酔っ払いに絡まれてる! 
しかし兄者は台所の方を見たまま動かない。

(´<_`;)「おい、兄者!」

(;´_ゝ`)「え?あ、ああ…クリスマスはもちろん一人だよ」

(´<_`;)「聞いてないし空しいよ!」

大体さっきから何を見ているんだ!?
何かあるのかとモララーも思ったらしく全員で台所の方へ近づいてみることにした

76 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 21:34:50.55 ID:jFtJDnWe0

〜〜〜ここから先は音声のみでお楽しみください〜〜〜

「ぐちゃぐちゃ…」

「ぐちゃぐちゃだわ…」

「まず、片付けようか…」

「ていうか本当にぐっちゃぐちゃじゃねえか! きっと兄者の仕業だぞ!」

「あーあ、大根しなびてるよ」

「あれ…このエプロンって使ってもいいのかな」

〜〜〜〜〜〜〜〜

「キャー! つ、つーちゃんそれそのまま入れちゃダメだよ!」

「え?え?そうなの!?」

「ねえ、キノコ入れちゃったんだけど」

「ええ!? あー…」

「いいじゃん、キノコおでんだ!」

「………………」

78 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 21:35:51.22 ID:jFtJDnWe0

〜〜〜〜〜〜〜〜

「ツンちゃん、それ火強すぎだよ!あと、ナツメグとかシナモンは入れなくていいの!」

「…でもブーンはいつも美味しいって言ってくれるし、大丈夫よ!」

「ええ!? あ、つーちゃんも牛肉はまた別の料理に使えばいいんだから…っああ、入れちゃった…」

「肉は力がつくぞー!弟者に力つけなきゃなっ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜

「ねえ、なんか色が紫なんだけど…」

「ぼこぼこいってるぞ。茄子入れたのがまずかったのかー?」

「皆になんて言おう……」

「まあでも、食べてみれば大丈夫だろ!!」

「ていうか無理やりにでも食べさすわよ」

〜〜〜〜〜〜〜〜


79 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 21:36:50.28 ID:jFtJDnWe0


( ・∀・)「……………」

(´<_` )「……………」

( ´_ゝ`)「……………」

( ・∀・)「…楽しみだねぇ」

うん、いろんな意味で





84 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 21:49:06.00 ID:jFtJDnWe0
( ´_ゝ`)ノ


( ´_ゝ`)

(´<_` )

( ・∀・)

なんだろう、これ。

目の前の鍋から吹き零れるのは紫色の物体。
中の汁がどろどろに濁っているのでもはや何が入っているのかも分からない状態だ

(*;ー;) 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!」

ξ゚听)ξ「…………いや、食べてみると結構美味しい、かもしれないわよ」

(;*゚∀゚)「ど、どどんまいだっ! 男はどきょう! なっ」

3人娘が口々に何か言ってくるが、誰も口を開こうとはしなかった。
多分俺たちは口を開いた奴がこの物体を食わせられると、踏んでいたのだろう。
当初、俺は「美少女の料理ならなんでも食えるぜいやっほぉぉおおい!」とか思っていたのだが、
……いくらなんでもコレは無い。

だって効果音がぐつぐつ、でもブクブクでもなくゴエェゴエェ…なんだぜ?
なんかそういう口癖の知り合いいるんでだが

しかもおでんなのにおでんの臭いがまったくしないし。
すっぱ苦いような、鼻につく臭いが漂ってくる。これが俗に言う刺激臭って奴か?


88 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 21:56:36.33 ID:jFtJDnWe0
( ・∀・)「……すまないが急用を思い出した! 帰るぞしぃ!」

最初に席を立ったのはモララーだった。心なしか青ざめた顔を白衣で隠すようにして
立ち上がるが、そうは問屋が卸さない。っつーか逃がすか!
俺と弟者が同時にモララーの白衣を引っつかみ、その場へと転がした。

(#・∀・)「何をするのかねっ!」

( ´_ゝ`)「まあゆっくりしていけよ」

(´<_` )「そうだぞ、せっかくのパーティーなんだから」

最早闇鍋と化してますけどね。
いや、病み鍋か。
ってうまいこと言ってる場合じゃないんだよ。

(*゚∀゚)「弟者、食ってくれないのか…」

(´<_`;)「え、あ…」

すると今度は矛先が弟者に向いたらしい。よかった俺じゃなくて
ほっと胸を撫で下ろしていると目の前に座っていたツンちゃんが無言で椀を渡してきた。

(;´_ゝ`)「………え?」

ξ゚听)ξ「女の子ががんばって作った料理を食べないなんて、男じゃないわよね」

いや、料理って言うか
にっこりと可愛らしい笑顔で椀を差し出してくるツンちゃんが悪魔に見えてきた。
視線を外すと無理やり首を曲げて目線を合わせられ、逃げられない雰囲気が部屋の中に立ち込める



94 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 22:05:42.01 ID:jFtJDnWe0

唯一の希望は、常識人のしぃさんだが
彼女と言えば「ごめんなさい」と泣きじゃくっているだけで二人を止める気配はない。
妹にメロメロな兄がそんな姿で泣いている妹の料理を無下にできるはずもなく、おろおろと視線をさ迷わせていた。

畜生、どうすればいい?
この料理を食べれば死ぬことは目に見えている。
だが、断ることは出来ないし………ハッ!!

その時、本日2回目の電球が頭の上で輝いた。
だが今回は俺だけではなく他の二人も同じだったらしい。俺たちは顔を見合わせ、目だけで頷く

( ´_ゝ`)「(おい……)」

(´<_` )「(……わかっている)」

( ・∀・)「(致し方ないということだね………)」

その日、その時、その場所で、ばらばらだった俺たちの気持ちは初めて一つになった。
この状況から逃げ出す方法、それ即ち…

( ´_ゝ`)「(誰か他に犠牲者を出すしかない…!!)」(´<_` (・∀・ )

ということだっ!!

95 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 22:08:15.64 ID:jFtJDnWe0

俺たちは出来る限り知り合いの顔を頭に思い浮かべた。

( ´_ゝ`)「その前に!」

(´<_` )「電話を!」

( ・∀・)「かけるのだよ!」

誰か一人がかければいいのだから、とりあえず一人犠牲者を考えることにした。
誰だ、誰にするんだ!!

犠牲者は!?>>105



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/16(日) 22:10:44.22 ID:gLfpm9m9O
杉浦こいやっ


117 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 22:24:17.97 ID:jFtJDnWe0

瞬間、俺の頭の中でとある人物が浮かび上がった。さっきは失恋の痛手で情けなくも逃げ出した男だが

そうだ、それでも杉浦なら…杉浦ならきっとなんとかしてくれる…!
犠牲者として!
そうと決まれば早速電話をかけなければ!

(;´_ゝ`)「ちょ、ちょっと待って!その前にトイレット!」

(;・∀・)「私も! ちょっと気分転換にルービックキューブしてくる!」

ξ゚听)ξ「逃げるんじゃないでしょうね? 言っとくけど逃げたら殺すわ」

(*;ー;) 「お兄ちゃーん…」

(*゚∀゚)「…弟者はどっか行ったりしないよな?な?」

(´<_`;)「あ………はい」

ふふん、バカめ逃げそびれたな。
いつも女の子に良い顔ばっかしてるからそういうことになるんだよ。

俺とモララーはトイレに篭り携帯の番号をプッシュした。横からモララーが携帯を覗き込んできた

( ・∀・)「誰にかけるのかね?」

( ´_ゝ`)「杉浦、ほら、さっき泣きながら出て行った男」




120 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 22:25:56.06 ID:jFtJDnWe0

( ・∀・)「ああ、ツンくんに泣かされていた男だね。 はてさて、来てくれるのかい?」

( ´_ゝ`)「呼ぶ! でないと俺たちの命が危ないからな!」

( ・∀・)「ふふん、激しく同意しようじゃないか! あ、ちなみに一ついっておくがあの料理はしぃの
     実力ではないからね。 普段のしぃの料理は素晴らしく美味しいからきっと他二人が
     邪魔をしたのだよっ! それだけは言っておこうじゃないか、しぃのために!」

モララーの話はもう殆ど流しながら聞き、俺は携帯を開いた。
着信拒否にされてたらどうしようという恐怖もあったが、別段そんなこともなく、しばらくのコール音の後
鼻声の杉浦が低い声で出た

( ФωФ)『何の用だ…』

( ´_ゝ`)「あ、俺俺、さっきはごめんな。 それよりさあ」

(#ФωФ)『金なら無いって言ってるであろうが!!!バカ!』

だから、詐欺じゃねえよ。



125 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 22:33:13.33 ID:jFtJDnWe0
そして案の定俺だとわかると声を荒げて怒鳴り散らした。
ていうかいい加減俺のアドレス登録してくれよ。泣きたくなるよ

(#ФωФ)『お前のせいで!お前のせいでー!!』

( ´_ゝ`)「振られたくらい気にするなよ、俺なんて告白できる女の子すら回りにいないんだぞ」

( ・∀・)「悲しい男だねぇ」

うるさい

( ФωФ)『どうでもいいが、もう切るぞ! 我輩は一人寂しく寝るのだからな!』

( ´_ゝ`)「あれ?マリアンヌは?」

(#ФωФ)『滑って転んで潰れた!!』

( ・∀・)「悲しい男だねぇ」

(#ФωФ)「るっさいわ! というか誰だ貴様!」

そこでモララーが俺の携帯を奪い自らの耳に当てた


136 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 22:53:43.22 ID:jFtJDnWe0
そして普段と変わらないハイテンションな声で話し始める

( ・∀・)「やあもしもし! 初めましてこんにちは、とは言ってもさっき会ったのだがね!
     杉浦くんと言ったかい?下の名前はなんだったかな。 たけし?」

(;ФωФ)『え、いや…ロマネスクだが…』

( ・∀・)「ロマネスク!! なんともロマンティックな名前じゃないか!いいねぇいいねぇ素敵だねぇ!
     これからは君の事を敬意を持ってロマちゃんと呼ばせていただこう!」

( ФωФ)『やめろ』

きっぱりと否定したがこいつ自体俺と同じで人とは会わない人見知りな奴だから、こう押しが強い奴には
大きく出れないらしい。
なんだかんだで電話を切らずに話を聞いている

( ・∀・)「では杉浦くん、ものは相談なのだがね、今一度兄者くんの家に来る気はないかい?」

(#ФωФ)『ないわ!!』

( ・∀・)「ほうほほう!? ないとねっ!! 本当にそれでいいのかなあ!?」

いかにも大げさな口調で受話器に訴えかけるモララーに、杉浦の戸惑う声が聞こえた。
こいつはいつもすぐ動揺するよなあ


139 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 22:59:44.58 ID:jFtJDnWe0

(;ФωФ)『な、ど、どういうことだ…っ!?』

その言葉に畳み掛けるようモララーは続ける

( ・∀・)「たった今美味しい料理が出来上がったというのに! 先ほどツンくんが…ああ、君が告白した少女だがね!
     その子が君を振ったことを後悔してもう一度会って欲しいと嘆いているというのに!
     君はすべて無視して一人寂しく床につくというわけだね? ああ嘆かわしいっ、まったく
     寂しくて涙が出るねっ!」

(;ФωФ)『ちょ、2行目kwsk…!』

( ・∀・)「だがまぁそんなに言うのならば仕方がない! 僕らは6人で熱々のおでんをほお張りながら
     それと同じくらい熱々に男女睦まじくやろうじゃないか!では…」

(;ФωФ)『5分で行くからそこで待っていろ!!』

ぶつん、と電話が切れた。
モララーがにんまり笑いながら俺に向き直る

( ・∀・)「まったく扱いやすい男だね」

( ´_ゝ`)「同意」




145 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:08:36.98 ID:jFtJDnWe0
(´<_` )ノ

さぁ、どうするべきか

(*゚∀゚)「弟者!あーん!」二( ∵)ゴエェー

にこにこと、八重歯を覗かせながら口元に箸を寄せてくるつーは可愛いけれどそのゴエゴエ言ってる奴が気になってそれどころじゃない。
うん、いや、あの、にこにこはいいんですけどそれ離してくれませんかね。

紫と緑のマーブル状になった物体を箸で掴み俺の口の中に入れようとしてくるつーから俺は目を逸らした
ああ、すげえ鳴いてるよ……なんでおでんが鳴くんだよ
俺が泣きたいよ

(´<_`;)「いや、あのな、つー」

(*゚∀゚)「頑張って作ったんだ!」

(´<_`;)「………」

目をキラキラさせてさあ食べてと言わんばかりに腕を伸ばしてくる。
これを断れるのか?俺?
ていうか断ったら泣いちゃわないか?
畜生、兄者もモララーも逃げやがって

男らしくもなくぐだぐだ悩んでいると隣でツンにわき腹を突付かれた。

ξ゚听)ξ「もたもたしてないで早く食べなさいよ。 それとも何? もしかしてしぃからも
    あーんしてもらいたいなあ、とか考えるんじゃないでしょうね?」

(;*゚ー゚) 「な、なななな何言ってるのよツンちゃん!」


154 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:16:25.68 ID:jFtJDnWe0
しぃさんが立ち上がり座布団でぽかぽかとツンを叩いている。

ξ;゚听)ξ「ちょちょっ、冗談だってば!」

(;*//ー//) 「い、いやいやいや別にそんなこと考えてないよ!?本当だってば!」

ξ;゚听)ξ「わかった、わかったから!とりあえず座布団下ろしなさい!」

(;*゚ー゚) 「あ、うん…ごめん…」

こう、テンションがすぐ変わる所を見るとやはり兄妹だなあと思う。
まぁ女の子の変わるテンションとか照れる表情ってのは可愛いから別にいいんだが

その時、なんだか下の方から視線を感じた。
ふと、下を見てみればむくれた表情のつーが俺を睨んでいる。

(*゚H゚)「…………」

(´<_`;)「…何か怒ってる?」

(*゚H゚)「別におこってなんかないぞー」

どうする?
何か言った方がいいのか?

>>159


159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/16(日) 23:19:01.80 ID:Qhhsg8P/0
実はこのおでん、うまそうだって思ってたんだ


166 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:26:19.07 ID:jFtJDnWe0

ここを乗り切るにはこのおでんと名乗る何かを褒めるしかない…!

(´<_`;)「あ、あのなつー」

(*゚皿゚)「なんだよー」

(´<_`;)「実はこのおでん、うまそうだって思ってたんだ」

(*゚ー゚) 「え…」

ξ゚听)ξ「おぉ…」

(*゚皿゚)

(*゚∀゚)

(*゚∀゚)「…ほ、本当かっ!? ぶっちゃけオレ様こんなのおでんじゃないって思ってたんだけど
    本当にそう思うか!?」

お前もやっぱりそう思ってたのかよ!
だけどここで「いや、やっぱりこれおでんじゃねえよ」とか言う勇気も今の俺にはないわけで。
というか後ろの二人の視線がすごく痛いのだが

(´<_`;)「…あ、ああもちろんだ! こんな美味そうなおでん見たことねぇよ!」

(*゚∀゚)「……アヒャ!」

つーは万歳するように両手を挙げ、嬉しそうににこにこと俺に擦り寄ってくる


168 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:27:56.88 ID:jFtJDnWe0

(*゚∀゚)「嬉しいな、嬉しいなっ!」

(*゚ー゚) 「……………」

よかった、どうやら機嫌は直ったみたいだ。
だが、問題はここからだった。

(*゚∀゚)「じゃあ、あーんっ!」

(´<_` )「え」

(*゚∀゚)「あーん!」

再び椀を掴み、俺の口元にそれを持ってくるつー
やっぱり…どうあっても食べなくちゃいけないんだな…
俺は意を決して、その物体を飲み込むことにした


177 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:36:21.62 ID:jFtJDnWe0
( ´_ゝ`)ノ


さて、その弟者が天に召されようとしているのを、実は俺たちずっと影から見ているわけですが

( ;A;)「うっ、うっ、しぃ…可哀相に…」

( ´_ゝ`)「お前その顔だとどのAAか判断つかないよ」

( う∀・)「……兄者くん! 君の弟刺し殺していいかねっ!?」

( ´_ゝ`)「だめー」

杉浦が来るまで部屋の前からこっそりと覗いていたのだが、モテ男フラグが仇になったのか
モララーに殺される前に死にそうだった、ほら、顔が土気色になってるし。
これはもうだめかもわからんね

(#・∀・)「大体、弟者くんはなんなのだねっ!?つーくんではなく、しぃにあーんしてもらえばいいじゃないか!
     まあそんなの私もしてもらったこと無いから、もしやられたら許さないが!」

( ´_ゝ`)「どうすりゃいいんだよ」

どうしようもないな、このシスコンは
でも俺も妹者にあーんしてもらうのはちょっといいかもしれん、うへへ。




179 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:40:14.75 ID:jFtJDnWe0
すると俺の表情から何を考えているのか読み取ったのか、すぐに意見を述べてくる

( ・∀・)「だめだよ、君の妹くんは。鬼畜っぽい顔をしているじゃないか」

(;´_ゝ`)「えぇ…そうか?」

( ・∀・)「そうさね!」

(;´_ゝ`)「しかし実の兄である俺が言うのもなんだが、顔は結構お前に似てるような…」

ピンポーンピンポーン

( ・∀・)「おっと来たみたいだよ、生贄が!」

さえぎられてしまった。
だが、まあいい。実際のところすでに生贄は一人亡くなったのだが。
増えれば増えるほど俺が犠牲になる確率は減るだろう………多分

悲鳴の聞こえた部屋を後にして、俺たちは玄関まで杉浦を迎えに行った


188 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:45:51.62 ID:jFtJDnWe0

部屋に入ってきた杉浦が、俺とモララーを見て一言、こう言い放つ。

( ФωФ)「騙したな」

( ´_ゝ`)「なんのことやら」

( ・∀・)「まったくもってさっぱりだね!」

( ФωФ)「嘘をつけ。 人が死んでいるではないか。 殺人現場ではないか。さっきといい、この家は呪われてでもいるのか?」

( ・∀・)「さっき?」

まずい!

(;´_ゝ`)「いやいやいや、これはほら、あれだ。料理が美味すぎて昇天しちゃったんだよ!なー弟者!」

ごまかすように弟を抱き起こし、腹話術の人形のように弟者の腕を動かした。
土色になった弟者は動かないが、かろうじて生きてはいるようだった。
周りで三人の美少女が泣いている

(*;ー;)「ああ…ごめんなさい…」

ξ;;)ξ「成仏してね」

(*;∀;)「うあーーん弟者ー!!」

(;´_ゝ`)「ちょwwwwwおまwwwwwwえらwwwww」



199 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/16(日) 23:54:35.20 ID:jFtJDnWe0

原因!原因!
と言いたいが、今のこの娘達にそんなこと言ったら俺の命が危ない気がする。
確実に二人目の犠牲者になってしまうだろう。そんなことを考えていると
杉浦が俺の横を通り過ぎて、ツンちゃんの前へと立った

(*ФωФ)「あの、その…」

ξ゚听)ξ「話しかけないで下さい」

( 。つωФ)「うおおおおおおおおおん!!」

なんでこの娘は杉浦の前ではこんなにツンツンしているのだろう。ツンデレというよりもツンドラだ
杉浦は泣き伏し、鍋の前に泣き崩れた。泣きすぎだよ

( ФωФ)「もういい…もう本当どうでもいい…」

杉浦の手が鍋の蓋へと伸び、今や真っ黒になったその汁を椀へと掬った
ぐちゃり、とおよそ食べ物に使う効果音ではない音が部屋に響いた
黒い雫が箸を伝ってぼたりと落ちる

( ´_ゝ`)「あ」

( ・∀・)「おや」

俺たちが何か言う前に、杉浦はそれをすべて飲み干してしまった。


210 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:03:06.44 ID:6SEpuciR0

ごくり、と喉を鳴らし、全て飲み干して一息ついた後杉浦は堂々と言い放った。

( ФωФ)「まずい」

と。
そのセリフに耳を動かした女性陣達には見向きもせず、放ってあったエプロンを付けて
台所へと向かった。

( ФωФ)「大体これは味が食い物の味ではないではないか、なぜ真っ黒なのだ?なぜ生臭いのだ?
      我輩がただしいおでんというものを教えてやるからそこで待っていろ!」

( ´_ゝ`)「…お前、料理は作らないんじゃなかったのか?」

( ФωФ)「食べる方が好きなのは本当だがな、食べ物が無いのでは作るしかないではないか」

ξ#゚听)ξ「ほほう」

( ФωФ)「いや、決してこの料理が美味しくないとか言ってるんじゃないんですけど」

さっきまずいって言ったじゃねーか
しかし今はもうそんな野暮なことは言うまい。弟者を除いた俺たちは杉浦の背中をまぶしい目で見つめながら
待つことにした

(;ФωФ)「と、とにかく、今新しく作るからそこでくつろいでたりとかすればいいじゃない!!」

把握した


220 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:09:41.28 ID:6SEpuciR0
(´<_` )ノ



目が覚めると、そこは天国だった。

(*゚∀゚)「弟者、起きた?起きたか!?」

とかいう展開では別になく、天使に変わってつーが心配そうに俺を覗き込んでいた

(*゚ー゚) 「大丈夫ですか?」

その隣にはしぃさんもいる。
俺は一体どうしたんだ…?確かあの地獄のようなおでんを食べて…そこから記憶が抜け落ちている
というか思い出したくない

(´<_` )「…ここは…」

ξ゚听)ξ「アンタの部屋」

ツンもいたのか。
見渡せば確かに見覚えのある部屋、ていうか俺と兄者共同の部屋だけどな。

(´<_` )「あれから、どうなったんだ?」


222 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:12:56.68 ID:6SEpuciR0
兄者とモララーはどうした?

聞いたのだが皆一様にむっとした顔で黙りこんでいる。
…………?

問いかけるようにつーをみると、口を尖らせながらしぶしぶと呟いた

(*゚∀゚)「…おでん食べてる」

(´<_` )「え」

あれを…食べてるのか?

ξ゚听)ξ「まあ、詳しくは居間を見た方が早いわね」

来なさい、とツンに促され、俺はベッドから出て居間へと向かった。
うう、なんかまだ胃がゴェゴェ言ってる気がする…



228 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:17:31.01 ID:6SEpuciR0

〜〜〜〜〜〜〜〜

居間へ着くと、そこにはいらっとくる光景が広がっていた。

( ´_ゝ`)「はんぺんうめぇwwwwwwww」

( ・∀・)「もち巾着うめぇwwwwwwwww」

( ФωФ)「ふあははははは! どうだ、うまいであろう!?食え!飲め!マリアンヌの弔いだ!」

( ´_ゝ`)「その名義はいらねえ!もちいただき!」

( ・∀・)「おおっと兄者くん!そのもち巾着は私のものだよ!」

………なんだこれは。
なんで二人とも俺の心配は皆無なんだ。
そしてそこに立っているのはさっき泣きながら出て行った男じゃないか、なんでまたここにいるんだ?
しかもさっきまでのおでんだったものがなくなって普通のおでんが食卓においてあるというのはどういうことだ?

テーブルの上のガスコンロに置いてある鍋は泣き声も挙げず、ふわりとした湯気が漂う
美味そうなおでんだった

つーが不機嫌そうな顔で再び呟く


239 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:21:38.43 ID:6SEpuciR0

(*゚∀゚)「弟者がぶっ倒れたあと、あのオッサンが新しくおでん作ったんだ」

ξ゚听)ξ「むかつくことに私達より美味いの」

(*゚ー゚) 「私も頑張らなくちゃ…って」

なるほど、不機嫌だった理由はこれか。
確かに、一生懸命作った料理よりも見ず知らずの男が作った料理の方が美味いとなると
プライドは傷つけられるかもしれない。
だが、そう思う反面アレを作るなら俺のほうがもうちょいまともなものを作れるかも、
という失礼な気持ちもある。言わないが

その時、兄者とモララーが俺に気づいたらしく、手を振ってきた

(*´_ゝ`)「おお!弟者! 気づいたのか!」

(*・∀・)「君もこっちに来て飲みたまえよ!」

二人が手招きをする。もう片方の手にはアルコールが握られており、思わずため息。
なんかテンションが高いと思ったら、二人とも酒飲んでるのかよ…。


245 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:25:43.35 ID:6SEpuciR0

(*´_ゝ`)「このおでんうまいぞ!特にはんぺんがな!輝く白さ!ふんわりやわらかー!」

お前はさっきからはんぺんばっかだな

(*・∀・)「いやいや、もち巾着の方絶品だ!あげの中に包まるもちに全ての旨みが詰まっている!」

あんたももちしか頭にないのか

杉浦というらしい男が声高に笑う

( ФωФ)「ふあははははは美味いだろう!美味いだろう!今日から我輩のことは母さんと呼べ!」

(*´_ゝ`)「母さん!」

(*・∀・)「母さん!」

酔っ払いだ。完璧によっぱらいだ。
だけど、今の俺には突っ込む気概も無いようだった



253 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:31:21.50 ID:6SEpuciR0
(´<_` )「今行く」

手を上げてその輪に加わるべく歩き始めると後ろから服を引っ張られた。つーとしぃさんがふくれっつらで俺を見ている。
なんでそんなふくれてって…ああ、未成年だもんな、酒飲めないから怒ってるのか?

二人の頭を撫でてとりあえず気持ちを落ち着かせてやる

(*//∀//)「………!」

(*//ー//) 「………!」

(´<_` )「えーっと、冷蔵庫にジュースとかあるからさ」

一緒に楽しもう。
そう言うと、二人ともすごい勢いで頷いた。なんだかんだ言って、やっぱり二人とも
おでん食べたかったんだな。
ツンが隣からすごい呆れた目で見ている気もするけど、最早どうでもよかった。
それよりも食卓から漂う良い匂いに釣られ、ふらふらと席に着く。

寝ていたせいか腹もなりっぱなしだ。
椀を手に取り鍋の中へお玉を突っ込み、好みの具を選んでいく。
ようやく取り終えた椀の中には、俺の大好きなおでんが美味しそうに湯気を立てていた

…それじゃあ、いただきます。

〜( ´_ゝ`)鍋パーティーのようです(´<_` )〜




256 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:32:29.94 ID:6SEpuciR0
終わりです
支援とか保守とかイラスト、ありがとうございました。
前回のスレでは中途半端ですみません。

質問とかもしあったら受け付けます


271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/17(月) 00:36:35.37 ID:oykvH7KmO
これって続きますか?


273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/17(月) 00:36:41.23 ID:3tinEcYzO

シリーズ化の予定は?
出てきてないけど選択肢に出てきた奴らもやっぱキャラ濃いのか?



277 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:40:58.57 ID:6SEpuciR0
>>263
なんというおでん…これは間違いなく死ぬ

>>271
どうだろう、安価も楽しいけど今度からはお題でもいいかなと思う。
このスレが明日まで残ってたらお題形式でちょこっと書きます。
あと、視点は兄弟意外も書こうかなと。

>>273
性格はだいたい大雑把に決めてます。元々ブーン系のキャラが濃いから


279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/17(月) 00:45:24.61 ID:S3e2EgJsO
妹者の登場予定は?
l从・∀・ノ!リ人

280 名前: ◆RlTQEud5f. :2007/12/17(月) 00:47:03.14 ID:6SEpuciR0
>>279
そのうち出します。多分

では、夜遅くまでありがとうございました。おやすみなさい





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