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( ´_ゝ`)魔王が世界を征服するようです



1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:01:31.02 ID:KUD1MuK40
相変わらずながら
記憶があやふやなので、もしかしたら矛盾点とかでてくるかも
指摘されれば直すけど、無視してくれるとうれしい


http://boonkusomiso.suppa.jp/maou-sekaiseifuku/maou-sekaiseifuku.html
まとめ


・今までのあらすじ
世界が汚染されはじめている。
その汚染が地界からだという情報を得て、
魔王とモラルドはアイスクイーンを仲間にし、地界へさぐりに行こうとしていた。

実はあんまり覚えてない



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:04:22.75 ID:KUD1MuK40
魔王の城のすぐそばには、天から遥か地の底にまで続く塔がそびえ立っている。
その名も"名無しの塔"。
名前がついていないから名無しの塔という名なのではなく、初代魔王がそう名付けたのだ。
ご丁寧に、塔の入り口には「Tower of No title」と書いてある。

名前っていうのは結構大事なんだから、
もうちょっとマシな名前は思いつかなかったのだろうか、と兄者は溜息をついた。



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:06:17.03 ID:KUD1MuK40
その「タワー・オブ・ノータイトル」の中はいたってシンプルだ。
外見はどでかいが、いくつかの部屋と、外周をぐるっとまわるように設置されている階段と
中央に魔力を動力源とする昇降機があるだけ。

最近は誰も使わないため「いくつかの部屋」は魔物の住処と化している。



「魔王、おつかれさまです!」

「おつかれさまです!」

( ´_ゝ`)「お、おつかれー」

兄者が通るたびに、そこに居あわせた魔物たちが声をかける。
それに一々手を振ったりして応えていたら、アイスクイーンであるツンに杖で小突かれた。



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:08:16.73 ID:KUD1MuK40
ξ゚听)ξ「あんなもの、むししとけばいいのよ」

( ´_ゝ`)「しかし、せっかく声をかけてくれているのに」

ξ゚听)ξ「むこうは、べつに返事なんかきたいしてないわよ。
      封印なんかされて、"キング"のあり方も忘れちゃったのね。
      まおうなのにかわいそうな子」

(;´_ゝ`)「む、むぅ」

存在としては異なるが、それでもツンは女王だ。
立場としては似たような位置にあるツンに言われ、兄者はそんなものかと首をひねった。



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:11:13.10 ID:KUD1MuK40
塔と同じように、塔の中にある昇降機も至って簡素だ。
昇降機は広い部屋。
部屋の中央に水晶のものがふわりと浮かんでいる。

その水晶に兄者が手を触れると、部屋全体がガタンと揺れた。
それから浮遊感が3人を襲う。

( ・∀・)「うわー、すごいねぇこれ。ロストテクノロジーみたいだ」

ξ゚听)ξ「失われたぎじゅちゅ?」

ξ;゚听)ξ「ぎじゅつ!」

( *・∀・)「人間が過去に持っていた"機械"ってやつさ。
      魔力のない時代に使っていたらしいんだけどね」

( ´_ゝ`)「魔力のない時代、ねぇ」

そんなものは魔界において存在しない。
それこそが、人間はもともと魔界に居なかった、という事実だと言えるが。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:12:36.88 ID:KUD1MuK40
ξ゚听)ξ「魔力……魔法がないなんてそうぞうできないわね」

( ・∀・)「僕も。こんな便利なものがなかったら生きてけないよ」

まったくだ、と言うようにツンが頷いた。
その横で兄者は壁を見つめる。その奥にある世界をみるように。

( ´_ゝ`)「魔法なんて無い方が良いのに」

囁くような声は昇降機の稼働音にかき消された。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:14:35.69 ID:KUD1MuK40
地界につくのには1時間ほどかかった。
なんせ世界を一つまたぐほどなのだから、それでもものすごい速さだ。
何の疑いもなく乗ったものの、もしこの昇降機が壊れたら自分たちはどうなるんだろうとも思う。
先人様様、というやつだろうか。
階段があるから乗らなくても問題はないものだけれど。

地界に着くなり扉が開いた。
埃っぽい空気が足元から流れてくる。
モライドが袖で口元を覆った。

( ・∀・)「酷い空気だ、吐きそうだよ」

埃っぽいだけでなく、悪臭もすさまじい。
あらゆる生物をミキサーにかけて、
密封容器に閉じ込めて1ヶ月放置してもこんな臭いになるんだろうか。

モライドと同じく顔をしかめているツンの隣を兄者は横切った。
ひきずるほどの長さのローブの裾に、埃がつくのも構わない。
全く同じ造りの、しかし空気が全く違う"名無しの塔"は奇妙だった。



ξ゚听)ξ「ねえ、ほいほいついてきてなんなんだけど、
       ここになにしに来たのよ?」



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:17:05.57 ID:KUD1MuK40
( ´_ゝ`)「え?」

ξ゚听)ξ

( ´_ゝ`)「え、えーと……なんだっけ?」

ξ゚听)ξ

ξ#゚听)ξ







  タテロールボンバー!!
ξ#゚听)========ξ)_ゝ`)ギャー



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:19:19.63 ID:KUD1MuK40
( ・∀・)「説明しよう。
      タテロールボンバーとは、そのウ○コのような縦ロールのバネの力を利用して
      相手にたたきつける攻撃である」

ξ#゚听)ξ「だれがウンコのようなかみがたよ!!」




(ξ)_ゝ`)「いや、ごめんごめん、何せ二か月以上経ってるもんで」

ξ#゚听)ξ「そんなのいいわけになるとおもってるの!
       あたしをわざわざ地界になんて連れ出しといて!」

(ξ)_ゝ`)「正直どんな話だったのかすら忘れてる」

  ツインロールボンバー!!
(#゚听)==========ξξ)_ゝ`)ギャー



( ・∀・)「説明しよう。
      ツインロールボンバーとは、そのウ○コのような縦ロールのバネの力を利用して
      相手にたたきつける攻撃である。
      タテロールボンバーの2倍の威力だが、顔が(゚听)イラネになるのが珠に傷」

ξ#゚听)ξ「説明しなくていいわよ!こおりづけにしてここにおいてくわよ!」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:21:51.46 ID:KUD1MuK40
(;ξ_ゝξ)「と、とにかく話をしきり直そうか」

ξ゚听)ξ「そうね、こんなんじゃ話がすすまないわ」

( ・∀・)「わかった、えーっとそれじゃ着いたあたりからやり直そう」

ξ゚听)ξ「そうね、ちょっとなかったことにしたいわね。
      あ、まとめさーん、ここカットしといてくださーい!」

( ξ_ゝξ)(誰に話しかけてるんだこいつ……)

( ・∀・)「じゃテイクツーいきまーす」



  ※(ksms*^ω^)ニコヤカ

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:24:33.84 ID:KUD1MuK40
地界につくのには1時間ほどかかった。
なんせ世界を一つまたぐほどなのだから、それでもものすごい速さだ。
何の疑いもなく乗ったものの、もしこの昇降機が壊れていたら自分たちはどうなったんだろうとも思う。
先人様様、というやつだろうか。乗らなくても問題はないものだけれど。

地界に着くなり扉が開いた。
埃っぽい空気が足元から流れてくる。
モライドが袖で口元を覆う。

( ・∀・)「酷い空気だ、吐きそうだよ」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:26:13.41 ID:KUD1MuK40
埃っぽいだけでなく、悪臭もすさまじい。
あらゆる生物をミキサーにかけて、
密封容器に閉じ込めて1ヶ月放置してもこんな臭いになるのだろうか。

モライドと同じく顔をしかめているツンの隣を兄者は横切った。
ひきずるほどの長さのローブの裾に埃がつくのも構わない。
全く同じ造りの、しかし空気が全く違う"名無しの塔"は奇妙だった。

ξ゚听)ξ「ねえ、ほいほいついてきてなんなんだけど、
       ここになにしに来たのよ?」



( ξ_ゝξ)「知りたいものがあったんだ。欲しいものって言っても良いかな」



    16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:26:31.36 ID:3QZpSIB4O
   ホントにやり直すのかw
 


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:29:42.01 ID:KUD1MuK40
ξ゚听)ξ「知りたいもの?」

兄者は歩を進めた。
廊下も薄汚れていたし、蜘蛛の巣がところどころにひっついている。
しかしどこにも生命が感じられない。

( ξ_ゝξ)「大したものじゃないんだけどね」

奥歯に物がはさまったような言い方で返されて、ツンはどうも納得ができない。
だがそれ以上聞いても仕方のない気がしたので、「ふうん」とだけ言って兄者の後を付いていった。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:33:27.67 ID:KUD1MuK40
塔の内門を開けると、流石に埃っぽさはなかった。
だが空気の悪さは変わらない。

一面に広がる空は、青というよりもむしろ茶色味を帯びた色だ。
更にその色を濃くさせるかのように覆う雲は、薄汚れた灰のようにも見える。
大地と言えば、緑はひとかけらもなく石のようなもので固められ、
その石の合間を流れる川すら、毒々しい濁った紫だった。

(;・∀・)「まさしく地獄だね」

しかし、死者がはびこることすらない。



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:35:39.76 ID:KUD1MuK40
ξ゚听)ξ「こんなところに何を探しに……」

( ξ_ゝξ)「ほら、あそこに城が見えるだろう」

兄者が指さした先は、位置的には魔王の城がある場所だった。
そこに、良く言えば城が。見たままで言えば、廃墟があった。
あれを一寸の迷いもなく城だと言い切れるのは、王としてだろうか。

( ξ_ゝξ)「あそこが、人間の王が住んでた場所……っていうか元VIP城だよ」

ツインロールボンバーで表情は見難かったが、兄者は非常に悲しそうな目でその城を見ていた。
それは過去に対してだろうか、それとも自分らの未来に対してだろうか。
モライドは色々と言いたいことがあったが、それを全部飲みこんだ。



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:40:06.58 ID:KUD1MuK40
( ξ_ゝξ)「それじゃあ行こ……う、雨?」

( ・∀・)「わ、雨だね」

ξ;゚听)ξ「やだー杖がとけちゃうーー!氷がーー!」

(;ξ_ゝξ)「とけるほどやわじゃないくせに……」

モライドとツンの二人が、名無しの塔の中に避難した。
兄者だけがあきれ顔で雨に打たれている。

(;ξ_ゝξ)「ちょっと、二人とも……雨くらいで避難なんてしないでよ」

ξ゚听)ξ「だってぬれるじゃない」

( ・∀・)「びちょびちょは嫌だな。ブーツに水入るし」

(; _ゝ )「なんて協調性のない……」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:42:11.85 ID:KUD1MuK40
そう呟いてから気がついた。
二人が自分を見る目が少し違ってきている。
驚愕と恐怖が徐々に顔に張り付き始める。
どうした?と問う前にツンが叫んだ。

ξ;゚听)ξ「まおう!!とけてる!とけてる!!早くこっちに来て!!」



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:47:22.10 ID:KUD1MuK40
焦りを隠さないツンとは打って変わって、兄者はいつものとぼけた表情で首をひねった。
何が融けてるのか理解できていない。
ただ、ツンが「頭!!」と連呼するので頭を触ってみた。
触ろうとした頭はなかった。


頭の上半分がほとんどない。触るとぬるぬるとした感触が手に着く。血だ。
その真ん中で、王冠だけがきっちりと存在していた。
これが無ければ自分が触っているものが頭だと理解できなかったかもしれない。

(;。_ゝ )「ああああああ!」

顔に触った拍子に片方の目玉がぼとりと落ちた。
落ちた目玉が地面に転がって、数秒と持たずに雨に溶かされて消えていく。
声にもならない悲鳴をあげて、兄者は塔の中に転がり込んだ。

ξ;゚听)ξ「あ、あんたばかなんじゃないの!
       生きるのにひつようなじょうほうくらいはちゃんと脳に届くようにしときなさいよね!」



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:50:41.96 ID:KUD1MuK40
(;。_ゝ )「………」

ツンの皮肉にも耳を傾けず、ただ兄者は懸命に自分の頭を触っていた。
既に両手は血で真っ赤に染まっている。
鼻から上は全て融け、中に溜まった雨水がじゅわじゅわと音をたてる。
そこから溢れた血が、顔中を、そして服をぬらしていた。

(;・∀・)「うわ、ぐろっ」

(;。_ゝ )

モライドの声に兄者は振り返った。
落ちかけた目玉がモライドを捕らえる。



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:54:05.28 ID:KUD1MuK40
( 。_ゝ )                       (・∀・ )「………」


( 。_ゝ )                       ...( ・∀・)「………」


    三( 。_ゝ )                    三(;ノ・∀・)ノ「うわあああああああああああ」



「おいかけてくんなよおおおおおおおおおお」
            ヽ(・∀・ヽ;)三          (。く_  )三



                 三( 。_ゝ )  三(;ノ・∀・)ノ「へんたいいいいいいいいいいいいい」



     30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:57:09.31 ID:ehUeWmTGO
    余裕だなwwwwww


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:02:31.38 ID:KUD1MuK40
そうやっているうちに、申し訳なさげにくっついていた目玉までがぽとりと落ちた。
ツンの足元へところころと転がる。
しかしツンはそれに気づくことができず、おもいっきり踏んづけた。
ぐちゃ、と気味の悪い感覚が足の裏を伝う。

ξ; )ξ「………」

危く気を失うところだった。



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:03:01.42 ID:KUD1MuK40
ξ;゚听)ξ「まおう!いい加減遊んでないで!!」

(  _ゝ )「正直すまんかった」

(;・∀・)「何で頭がなくて生きてるんだよおおお!!」

(  _ゝ )「さあ……」

ξ゚听)ξ「まおうだもの。100年前だってあんな悲惨な――」

(; _ゝ )「ツンさんそれ黒歴史なんで思い出させないでください」

(;・∀・)「っていうかそれ治るの?治るわけ?」

(  _ゝ )

ξ゚听)ξ




(  _ゝ )「たぶん、寝れば治ると思う」



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:08:16.47 ID:KUD1MuK40
ξ゚听)ξ「いっぱく1000万Gになります。
      おとまりになりますか?」

l>泊まる
 泊まらない

(; _ゝ )「って高!高すぎだよ、払えないよ!」

( ・∀・)「うるさいな もっているんだろう はらったほうが みのためだ
      みぐるみはがすぞ」

ξ゚听)ξ「そうだ そのおうかんを よこせ
       かねに なりそうじゃないか」

(; _ゝ )「王冠だけは勘弁してください!
      ちょっと雑に扱っただけで弟者すっげえ怒るんだから!」

奪われないように手でガードをする。
が、ツンはそれに手を伸ばすわけでもなく、不審そうな顔をした。

ξ゚听)ξ「弟者ってだれ?」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:10:28.49 ID:KUD1MuK40
(  _ゝ )「え、俺の弟だよ」

断言される。
すると更に眉をひそめた。

ξ゚听)ξ「あなたに弟なんていないじゃない?」

(; _ゝ )「ええ?でも本人がさあ、俺封印された頃くらいにそう言ってきて」

ξ゚听)ξ「……なんだ、弟者ってそういうことね。
      あたしのかんちがいだったから気にしないで」

(; _ゝ )「え?どういうこと?
      自己完結してないで俺にも( ・∀・)「ちゃんちゃんちゃららん♪
                             ↑宿屋に泊まった時の効果音」



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:14:02.75 ID:KUD1MuK40
( ・∀・)「おはようございます いってらっしゃいませ」

(  _ゝ )「………」

ξ゚听)ξ「………」

( ・∀・)「まあ、細かいことを気にしなければ治ったね」

(  _ゝ )「……俺の目玉が……」

ξ゚听)ξ「さあ!どこに行くんだったかしら!」

( ・∀・)「あのお城だよね」

ξ゚听)ξ「雨はもう止んけど、水たまりすらつよいさんのようだから気をつけないと」

(  _ゝ )「ねえ、俺の目………」

ふむ。とツンは腕を組んだ。
地界とは一体何なのだろうかと。
一体ここで何が起こったのだろうかと。

ξ゚听)ξ「さあ行くわよ!
      あたしたちはどんなこんなんにも立ち向かわなければいけない、
      あたしたちの手に、世界の平和はかかっている!!」



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:18:02.61 ID:KUD1MuK40
( ・∀・)「――というわけなんだからな!」

(´<_` )「意味がわからない。打ち切りか?」





時は2日後。
3人が城へ戻ってきてからのことだ。

ξ゚听)ξ「うちきりたいのはやまやまだわ」

(;ФωФ)「しーっ!魔王に聞こえる!」

4人は一斉に玉座を見た。
正確には玉座の裏で、自らの顔を手で覆い、体育座りをしている兄者を、であるが。



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:26:58.42 ID:KUD1MuK40
(´<_` )「何でああなったかはおいといて、
      知覚はできるんだから、目玉がなくなったって良いじゃないか。
      なぁ?」

(;ФωФ)「いや、しかし、目の部分だけくぼんでいると、正直気味が悪いのである」

気味が悪い、に反応して、兄者の耳がぴくりと動いた。
反応を示したのはそれだけだったが、
それを察してロマネスクが慌てて言い直そうとした。だが言い訳が思いつかない。

ξ゚听)ξ「とりあえず、代わりになるものを何か探してあげないと」

( ФωФ)「目っぽいのであるか。こういうのはどうだろうか?」

ξ゚听)ξ「宝石……?サファイアね。良いんじゃないかしら」

( ・∀・)「よーし嵌めてみよう嵌めてみよう!」



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:29:40.63 ID:KUD1MuK40
玉座の後ろから引きずりだして、二つのサファイアをそこに嵌めてみた。
ううむ、と首をかしげる一同に眉をひそめ、
兄者はツンの用意した鏡を見る。

( ・_ゝ・)「………」

(;・∀・)「びみょーーー」

ξ゚听)ξ「微妙ね」

(´<_` )「微妙だな」

( ФωФ)「微妙なのである」

( ・_ゝ・)

宝石は即効取り外された。



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:31:53.92 ID:KUD1MuK40
(´<_` )「あ、じゃあこれはどうだろうか」

( ФωФ)「……正気であるか?」

(´<_` )「うむ」

弟者の取り出したのは花だ。
何の花かどうかは想像にお任せするが、その花を弟者は兄者の顔にそっと飾りつけた。



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:32:45.61 ID:KUD1MuK40
( *_ゝ*)




(;ФωФ)「こ、これは……」

ξ;゚听)ξ「………」

( ・∀・)「うわぁ……」

(´<_` )「これは想像以上にきもいなwww」



( *_ゝ*)「……俺そろそろ死んでもいいかな……」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:35:46.10 ID:KUD1MuK40
それから暫く、何でカモフラージュするかで議論をしたが、
結局治るまで包帯で目部分を隠すことで落ち着いた。

ξ゚听)ξ「まあ最初からそうすれば良かったようにも思えるけど」

(;ФωФ)「いや、しかし問題はそこではないのである」

( ・∀・)「そこじゃないって?見栄えの問題とか?」

ロマネスクが苦渋の表情で首を振る。
それに答えるように、弟者が腕を組んだ。
弟者は表情を変えることすらなかったが、それでも感じているのは同じことらしい。



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:40:10.08 ID:KUD1MuK40
( ФωФ)「本来であれば我輩たちにとって致命傷であるような傷ですら、
        魔王にとっては大したことないはずなのである」

(´<_` )「例え、目を抉られようが、両手足を切られようが、
      臓物を全てしぼりとられ、そこ猛毒を流されようが、な」

(  _ゝ )「………」

( ・∀・)「まてまて、それじゃ死なないじゃないか」

(´<_` )「そう、魔王は大抵のことでは死なない。いや、死ねない。
      だから人は兄者を封印したのさ」

( ・∀・)「?
      でも前の魔王は死んでるんだろ?」

(´<_` )「言っただろう、"魔王"は死ねないって。
      新しい魔王を作れば、前の魔王は魔王じゃなくなる。
      死ぬことができる」

( ФωФ)「問題は、どうして魔王が死なないか、なのである」

兄者は玉座で膝を抱えた。
そして耳をぺったりと伏せて、「聞かざる」体勢に入る。



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:42:13.95 ID:KUD1MuK40
(´<_` )「魔王は世界の代理みたいなもんだな。
      世界が健在であれば、魔王も健在。世界が滅べば、魔王も死ぬ。
      だから魔王は世界を保つ」

( ・∀・)「つまり治りが遅いってことは、
      世界の状態があまり良くないってこと?」

(´<_` )「そういうことだ。
      だからあんまり苛めてやるなよ」

( ФωФ)(弟者殿には言われたくない台詞なのである)



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:45:14.39 ID:KUD1MuK40
ξ゚听)ξ「まぁ、その"世界の状態が良くない"りゆうはわかったけどね」

( ФωФ)「むむ、地界に何か問題があったのであるか?」

ξ;゚听)ξ「もんだいどころじゃないわ、げんきょうよ。
       地界のどくみたいなのが、まかいにまでもれだしてるの」

ロマネスクと弟者が顔をしかめた。
「毒みたいなもの」とは何だろうか。
いや、それ以前に、魔界に漏れ出しているということは、
これから魔界は更に悪くなる。ということではないか。

(  _ゝ )「それについては一応考えてはいる」

( ФωФ)「おお!流石は魔王!」



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:49:49.97 ID:KUD1MuK40
(  _ゝ )「元を正さねば解決はしないが、現状を保つことなら魔界ででも可能だからな」

ξ゚听)ξ「というと?」

(  _ゝ )「久々に新しい種族でも作ろうかと思う。
      深海に住まわせて、毒の管理をしてもらおう」

(;・∀・)「新しい種族を?そんなことが可能なのかよ?」

( ФωФ)「当たり前だ、魔王であるぞ」

(;・∀・)「でもそんなことしたら、生態系のバランスが崩れたり……」

(  _ゝ )「それをさせないために俺がいる。
      俺は世界を保つためにあるからな」

そして小さく吐息をもらす。肘掛をさする。
何かネガティブなことを考えているのは、
付き合いの長いロマネスクにはすぐにわかった。



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:53:11.22 ID:KUD1MuK40
(  _ゝ )「大方、地界が滅びたのもそのせいだろう。
      人は欲を求めすぎた」

兄者はじっと床を見つめてから立ち上がった。
踏みつけそうなほど長いローブの裾だが、慣れているのだ。器用に階段を下りる。

(  _ゝ )「そして今度はこの世界を滅ぼそうとしている。
      ……俺を憎んだりするのは勝手だが、それだけは許さない」

( ・∀・)「………」



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:55:15.72 ID:KUD1MuK40
玉座の間の入り口、扉の前で兄者は振り返る。

(  _ゝ )「モライド、頼みがある」

( ・∀・)「え、ああ、うん?」

(  _ゝ )「VIPの王に伝えてほしい。
      3ヶ月の猶予をやるから、人を全て地界へ戻せ、と」

(;・∀・)「えっ……地獄に!?
     何馬鹿なこと言ってるんだよ、魔王だって見ただろ、
     あんなところ生き物の住む場所じゃない!」

(  _ゝ )「3ヵ月後、きっかり90日後。
      残っていた人間は一人残らず駆除するとも伝えてくれ」

最後に少しだけ微笑んで、扉が閉ざされた。



57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 17:58:12.89 ID:KUD1MuK40
呆然と扉を見ていた一同だが、はじめに口を開いたのはロマネスクだった。
心底不思議そうに首をかしげる。
しかし口の端は上がり気味だ。口調も楽しげですらある。

( ФωФ)「魔王は何をあんなに焦っているのであるか?」

( ・∀・)「焦ってる?あれが?
      ありゃ別人でしょ……弟者が乗り移ったんじゃないの?」

(´<_` )「失礼な」

( ・∀・)「あ、じゃあ催眠術かなんかやったんでしょ。
      勘弁してよ〜〜元に戻してよ〜」

( ФωФ)「いいや、100年前はあんな感じだったのである」

(;・∀・)「えー?うそだー。あのお調子者だよ?
      何したって怒んないようなあいつが?」

( ФωФ)「我輩からしてみれば、今までのが"別人"だったのだぞ」



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:01:35.15 ID:KUD1MuK40
(´<_` )「つまり、何か"我に帰る"ようなことがあったってことだな。
      ……アイスクイーン、一体地界で何を見た?」

ξ゚听)ξ「………」

(´<_` )「アイスクイーン?」

答えないツンに苛立ってか、弟者は眉間にしわをよせた。
だがツンは気にすることなく、弟者の頭から足の先までを無遠慮に見つめる。
そうして「ふうん」と吐息をもらした。

ξ゚听)ξ「あなたが弟者なのね。うまくばけたこと」

その言葉に弟者は返事をしなかった。
ただ乾いた笑いをもらす。ツンはそれで満足したのか、話をすぐに戻した。



ξ゚听)ξ「地界はひどかったわ。まさにじごくってかんじ」

思い出すのも嫌だというように吐き捨てる。



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:05:01.35 ID:KUD1MuK40
ツンの言うことにはこうだ。
確かに酷い有様だった。毒を毒で固めたような場所。
空気も水も大地も汚染されている。

だがそれだけではない。
人が住まなくなってからも、地界は動いていたのだ。

ξ゚听)ξ「ばけものがいたの。
      見たこともないこうせきでできていたわ」

( ФωФ)「化物……モンスター?魔物?」

ξ゚听)ξ「いいえ、ばけものよ」



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:08:26.03 ID:KUD1MuK40
( ・∀・)「化物なんかじゃないんだからな!
      ロストテクノロジーだよ。文献で読んだことがあるんだ。機械ってやつだ」

ξ゚听)ξ「……とにかく!そいつらがたくさんいて、
      なぜかわからないけど互いに戦いあってたの」

ツンは一息ついた。
まだ何か言い足りなそうに、落ち着きなく歩きまわる。
何と表現して良いのかわからず、自分でも混乱しているのかもしれない。

ξ゚听)ξ「それで……まおうはせんせんふこくされた気分だったんじゃないかしら。
      "次はこの世界だ"ってね。
      あれはにんげんが作った世界の成れの果てだから」

(´<_` )「このまま人を魔界に置いといたら、そうなるかもしれない……か。
      まぁ俺は元々アンチヒューマン派だから。良い刺激だったな、うん」

( ・∀・)「アンチヒューマンって……」

( ´_>`)

( ФωФ)

ξ゚听)ξ


(・∀・; )「えっ?」




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:16:31.85 ID:KUD1MuK40
一斉に見られて、モライドは一歩後退した。
彼らの目が今までと違う。敵を見る目に変わっている。

( ФωФ)「魔王が良いと言うから置いていただけで」

(´<_` )「兄者がいらんと言ったら、生かしとく意味はないよな」

ξ゚听)ξ「あたしのメイドたちも、何人もにんげんにころされてるし」

(;・∀・)「ちょ、ちょっと待ってよ!今まで仲良くしてたじゃないか!
      そんな急に手のひらを返すようにしなくたって」

( ФωФ)「だから魔王が」

(´<_` )「お前いつも二言目には兄者だな」

( ФωФ)「1にも2にも魔王である。
        魔王がVIPの王に伝言があるのだから、殺してはいけないのである」

(´<_` )。O ( 別に人間撲滅でも良いのになあ」

ξ゚听)ξ「こころの声もれてるわよ」



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:21:33.16 ID:KUD1MuK40
( ФωФ)「まぁ、魔王に手を出してるだけあって
       なぶりごろしたいくらいではあるが、致し方ない。
       ときめきバグベアー号を貸してやるから、とっととVIPへ戻るが良い」

(;・∀・)「くっ……なんだよ、わかったよ……。
      奇麗事言ったところで、結局魔物だって欲の塊だったってことだね!」

モライドはロマネスクから呼び笛を奪い取って、窓から身を乗り出した。
ぴゅう。と吹くと、一陣の風と共にワイバーンが現れる。
それに乗ると、なにやら言葉を吐き捨てて去っていった。
「おぼえてろ!」かもしれないし「ゆるさないからな!」かもしれない。



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:25:10.53 ID:KUD1MuK40




その日、VIP城では軽い騒ぎになった。
空から一匹のワイバーンがおりてきたのだ。
何か魔物の強襲じゃないか、と思われた。のだが。

( ・∀・)「失礼するよ」

モライドがひょっこり顔を出すと、兵士は慌てて武器をしまった。
すぐに道をあけて、玉座の間へと通す。



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:27:04.89 ID:KUD1MuK40
( ・∀・)(早く王に伝えないと……あれは本気だ。マジで地獄に落とされる。
      そして地獄は人が住める環境じゃない。……これはやばいぞ)

( ・∀・)「王!僕です、モライドです!大事なお話があります!」

兵が扉を開けるのも待たず、自分で扉をこじ開ける。
小走りに玉座に駆け込むと、モライドはそう叫んだ。

(;・∀・)「……王?」

しかし、そこにかつてのVIP王はいなかった。
そこにいたのは、見たこともない2人だった。


バ―――( <●><●>)―――ソ!!!!!
               チョ――( ><)――ン



( ・∀・)「………」



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:32:09.13 ID:KUD1MuK40
( ・∀・)「………」



( ・∀・)「おい、お前ら誰だよ!!
      何で王でもないのに玉座に座ってんだよ!」

( <●><●>)「私が王だ」

( ><)「おまえだったのか」

(;・∀・)「てめえらVIP王をどこにやった!」

( <●><●>)「私が王だ」

( ><)「おまえだったのか」

(;・∀・)「あ、てめえ無視すんじゃねえ!ぶっころすぞ!」



71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:34:48.07 ID:KUD1MuK40
( ><)「あ、ぶっころさないで下さい!これにはわけがあるんです!」

( ・∀・)「わけ?何だ言ってみろ」

( ><)「

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 21:51:46.31 ID:Wc1NCvU20
( ><)「そもそも魔王っていうのは、
      そんじょそこらにいる程度のLvじゃ勝てないと思います」

( ><)「僕らなんか、ハンターズレベルで言うと、中の下程度ですから!」

( <●><●>)「じゃあ何か策を打ちましょう」

( ><)「策ですか……あんまり乗り気じゃないんですけど」

( <●><●>)「そうですね、ならここは安価で、変なのでても恨みっこ無しで」

(;><)「まー安価なら仕方ないんです」

( <●><●>)「>>82の方にお伺いしましょう」



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/04(月) 22:04:57.83 ID:zPIXHRHw0
先に世界征服





72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:36:42.42 ID:KUD1MuK40
( ><)「てなわけでして」

( ・∀・)「………」

(;><)「あ、杖を構えないで下さい!
      ちゃんとVIP王から許可はもらってるんです!」

( ・∀・)「許可?」

( ><)「『王になりたいならしばらくどうぞ』って。
      かれこれ1ヶ月くらいはこんなことしてました。
      見えないところでちゃんと安価を消化してました」

( ・∀・)「……この非常事態に何やってんだあのニコニコ野郎」



73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:38:46.61 ID:KUD1MuK40
( <●><●>)「非常事態?」

玉座から声がかけられる。
ひょうひょうとした言葉遣いがなんとなく癪に障る。

( ・∀・)「とりあえず、王を……タカラ様を出せ。
      お前らなんかに話をしたって意味がない」

ワカッテマスは目を細め、ビロードに声をかける。
ビロードは急いで部屋をでていった。
VIP王、タカラが戻ってきたのは、それから暫く経ってからだ。



74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:43:04.47 ID:KUD1MuK40
(,,^Д^)「おひさしぶりですね、モライド。
     ギコリオは『あいつは裏切った、次会ったら虐殺の限りをつくしてやる』
     と言っていましたよ」

( ・∀・)「ははは、敵を欺くにはまず味方から、と言います。
      暫く向こうで偵察していたんですよ。
      あまっちょろいようなやつでしたからね」

(,,^Д^)「それで、非常事態とは?」

( ・∀・)「魔王が急に方針を変えまして、宣戦布告が。
      "3ヶ月以内にこの世界から消えろ。さもなくば皆殺しにしてくれる"と」

モライドの言葉に、タカラは眉をぴくりとあげた。
嘘くさい笑顔の能面から、一切の温度が消えたようだ。



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 18:54:26.37 ID:KUD1MuK40
(,,^Д^)「この世界から?」

( ・∀・)「地界へ下りる塔があるのはご存じですよね。
      そこから地界へ行け、と」

(,,^∀^)「ははは……はははは!
     これは確かに宣戦布告ですね!」

( ・∀・)「………」

一しきり笑い終えた後で、タカラは一度黙りこんだ。
元々そんなに好きでなかった相手だが、モライドは今でも好きになれない。
その笑顔がつくりものみたいだからだ。

(,,^Д^)「良いでしょう、その宣戦布告、受けてたちます。
      政権交代の時代です。私たちは地界になんて行きません。
      この世界をまるごと譲っていただきましょう」

玉座の間に構えていた兵士たちが色めき立った。
大規模な戦争の準備が始まる。

(,,^Д^)「100年前よりも遥かに大きなものになるでしょう。
      そして、勝つのはまた私たちです」


まるで100年前の戦いを見たように言うんだな、とモライドは思った。




86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 19:52:01.50 ID:KUD1MuK40
 


それからしばらく、玉座の間に兄者の姿は無かった。
一体何があったのかと、兄者の様子を知らないつー達は心配しつくした。

( ФωФ)「魔王なら、地下室にこもっているのである」

ロマネスクが彼女らを案じて言った言葉で、つーはますますいぶかしがった。
地下室なんて、鬱々としたしめっぽい部屋が並んでいるだけじゃないか。

(*゚∀゚)「だいたい、封印されてたのだって地下室だろ?」



88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 19:55:30.87 ID:KUD1MuK40
( ФωФ)「集中したいのであろう。
        最近の城はにぎやかになってきたからな」

(;*゚∀゚)「あー……わりぃ」

( ФωФ)「ツーベル殿のせいではないし、
        我輩はにぎやかな方が良いと思っているのである。
        気にすることはあるまい」

とは言いつつも、ロマネスクとて地下室から一歩も出てこない兄者が気がかりだった。
いくら死なないと言っても、もしや死んでいるのではないかと考えてしまう。
あり得ないとわかっていても、だ。



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 19:59:54.95 ID:KUD1MuK40
そんな折、玉座の間の扉が開いた。
ひょこりと一人の魔物が顔を出す。

(´<_` )「どうもこんにちは」

(*゚∀゚)「あ、弟者じゃねーか。
     今さー魔王の話を……」

そこで、つーとロマネスクは顔を見合わせた。
つーが再び弟者の名を口にし、確認をとる。
これは弟者には見えない、しかし、弟者に見える。
サイズが異様に小さくなっていたせいだ。どうみても10やそこらの大きさだ。

(´<_` )「ロマネスクさんに少々お話が」

しかもその台詞がまた丁寧ときた。
あの弟者が自分に「さん」などつけるわけもなく、
ロマネスクは気味の悪さに身震いする。



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:04:31.03 ID:KUD1MuK40
そしてまた扉の向こうから、ひょっこりと顔を出した人物がいた。
それを見て、ロマネスクとつーは危うく兄者のように目玉をおっことすところだった。
新たな魔物は先ほどと同じように

( ´_>`)「どうもこんにちは」

と、ぺこりと頭をさげる。


(;*゚∀゚)「弟者が二人……ど、どういうことだ?隠し子か?
     それとも小さくなったのか」

(;ФωФ)「いや、まさか……しかし、そんなまさか……」

二人が目を白黒させていると、扉が再び開いた。
今度はひょっこりなどではなく、堂々と。それは非常に見知った顔。

(*´_ゝ`)「やっほーー二人ともお久しぶり!
      どうどう?みたみた?この二人!」

と、のたまって入ってくる。
どうやら元凶は兄者らしい。



92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:09:20.17 ID:KUD1MuK40
(;ФωФ)「魔王?この子らはどういうことでありますか?
       弟者殿にそっくりに見えますが」

(*´_ゝ`)「ん?ああそうそう、二人ともはい、挨拶!」

兄者に促されるままに、
弟者の顔をした子供二人はぴしりと敬礼した。

( ´_>`)「はじめまして、ついこの間魔王に作られました」(´<_` )

( ´_>`)「右者です!」

(´<_` )「左者です!」

( ´_>`)「よろしくおねがいします!」(´<_` )

そして再びぺこりとお辞儀をする。
元気がよろしいのは良いことなのだが、
いかんせん弟者の顔で言われて気味が悪い。
ロマネスクもつーも、気を失う寸前だ。

それにいまだに意味がわからない。



95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:18:14.35 ID:KUD1MuK40
( ´_ゝ`)「新種族弟者。どうだ、かわいいだろ」

(*゚∀゚)「いや、ぜんぜん、むしろこわい」

(;ФωФ)「魔王、魔物を作ると言ってこもって……
       こんなのを作ってたのですか……」

(*´_ゝ`)「おーwwwいいだろwwwww弟者がむかつくからなんかつくってみたwwww
      魔王に忠実!魔王の言うことだけを聞く!そんな臣下wwww」

(*゚∀゚)「確かに昔、弟者スレみたいなのあったけどさ……こりゃねーよ……」

(*´_ゝ`)「何言ってんだwwwww生意気なのよりいいじゃんwwwwww」

と言ったところで、ロマネスクもつーも口をつぐんだ。
私は何も知りません。といった風に、顔をそらす。
何だどうしたと兄者が首をひねって、




(´<_` )「ほう?」

という声が後方から聞こえて、二人と同じように固まった。



100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:30:50.12 ID:KUD1MuK40
(´<_` )「新種族を作るとか言ってたのに、
      随分面白いことをしてくれるじゃないか」

(;´_ゝ`)「う、いや、それ自体はもう……」

兄者の言葉を聞き終わる前に、弟者は右腕を上げた。
何か魔法を撃つ体勢。
それに応じて、右者と左者が兄者の前で構える。

( ´_>`)「魔王に手出しはさせません!」(´<_` )

自分と同じ顔でそう言われて、弟者は一瞬だけひるんだ。
変なものを見る目つきで彼らを見て、
それから掌を上に返す。



103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:35:38.09 ID:KUD1MuK40
(´<_` )「おすわり!」

(;´_>`)「え?」(´<_`;)

(´<_` )「おすわり!」

(;´_>`)「は、はい!」(´<_`;)

(´<_` )「お手!」

(;´_>`)つ「はい!」⊂(´<_`;)

(´<_` )「お茶!」

        三(;´_>`)っ「はい!」(;´_>`)っ


 旦_(´<_` )「ただいま戻りました!」(´<_` )

( ´_>`)「お茶です!」  「ニラ茶です!」(´<_` )

(´<_` )「うむ」


(´<_` )「うん、かわいいじゃないか」



(;ФωФ)(*゚∀゚)(うわぁ……)



106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:43:04.84 ID:KUD1MuK40
(;´_ゝ`)「え?あれ?いや……おかしいな、
      魔王の命令だけを聞くように作ったはずなんだけど……」

( ´_>`)「すみません」  「何か逆らってはいけない気がして」(´<_` )

(´<_` )「うんうん、そうだよなぁ。流石は俺、良い子だ」

(;ФωФ)(*゚∀゚)(うわぁ……)


(´<_` )「何か言いたいことがあったら言って良いんだぞ」

(;ФωФ)(*゚∀゚)「何もないであります!大佐!」

   ボソ
( ´_ゝ`)「なんだこいつすげぇむかつく……」

(´<_` )「右者、左者、行け!」

( ´_>`)「イエス、マスター!」(´<_` )



108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:50:38.30 ID:KUD1MuK40
時はそれからしばらく経つ。


(;;#,ノ_ゝ")「それで、深海にはもう送ってあるんだ。
       だから暫く問題はない」

(´<_` )「暫く?
      暫くしたら問題が起こるということか?」

(;;#,ノ_ゝ")「猶予が3ヶ月、と俺は言っただろう。
       だがどうせ人間は地界へ行こうとなんかしない」

( ФωФ)「……となると、撲滅運動の準備でありますな」

(;;#,ノ_ゝ")「いや、ほっといても向こうから来るだろう」

(*゚∀゚)「あんなとこ戻るくらいなら、魔王を倒してオレらがこの世界に君臨するってか」



110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:10:11.29 ID:KUD1MuK40
( う_ゝ")「ああ、そうだ」

( ФωФ)「それでは、その前にこちらから攻めいれば」

( ´_ゝ`)「どこで戦ったって同じだ。
      それよりも来てもらった方が、塔が近いから良いだろう」

それに、と兄者は言葉を濁した。
思い出したくも無い過去を苦々しく笑う。

( ´_ゝ`)「今のVIPの王は、100年前俺を封印したやつだ。元勇者の一人。
      この城に戻ってくる前、俺は毎日やつに食われていた。
      魔力もその辺の人間と比べ物にならんだろう」

( ФωФ)「食われていた?」

( ´_ゝ`)「俺は腕を切ったってすぐに再生する。
      牛や豚みたいに、俺の肉が皿の上に並んでたんだよ。
      それで魔力が移ったみたいでね……」

想像したのか、つーが「うげえ」と顔をしかめた。
人に捕まったらそんなんなるのかー、と顔を青ざめさせる。



111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:18:47.32 ID:KUD1MuK40
( ´_ゝ`)「とにかく、そんなんだから、あんまり油断はしないでほしい。
      少なくとも人は集まれば雑魚じゃない。
      それは100年前のでわかってると思うが」

ふう、と息を吐いた。
暑いわけでもないのに、兄者の額には汗が浮かんでいる。

( ´_ゝ`)「人間どもの出方にとっては、全面戦争になるだろうな。
      戦力に自信のあるものは集め、
      力の無いものは隠れるように、AA大陸に流してくれ」

( ФωФ)「承知しました」


ロマネスクがつーをつれて部屋から出る。
残されたのは兄者と、弟者らのみ。


兄者は弟者に目線を合わせないように、ロマネスクの後を追う。

( ´_ゝ`)「なあ、お前一体何なんだ?」

通り過ぎる時に、そうこぼした。






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