( ^ω^)が影を取り戻すようです
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
20:12:45.82 ID:5aUo5Mih0
- ( ^ω^)「……………」
ξ゚听)ξ「どうしたのよブーン。難しい顔しちゃって」
( ^ω^)「ツン………ちょっと思ったんだけど……」
( ^ω^)「僕って、ひょっとして………」
(;^ω^)「影、薄くないかお?」
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
20:14:33.34 ID:5aUo5Mih0
( ^ω^)が影を取り戻すようです
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
20:15:49.39 ID:5aUo5Mih0
ξ゚听)ξ「え?」
ξ゚听)ξ「やだもう、ブーンったら。何言ってるのよ」
(;^ω^)「そ、そうだおね!そんな訳ないおね!
いやー僕としたことがくだらない事考えちゃったお」
ξ゚听)ξ「何を今更、って意味なんだけど」
( ;ω;)「おおおぉぉおおぉおおおおおおおおん!!!」
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
20:17:18.55 ID:5aUo5Mih0
ξ゚听)ξ「むしろもっと早く気付け、ってとこね」
ξ゚听)ξ「私なんか、ブーン系を知って1時間後には気付いてたわよ」
( ;ω;)「ひ……酷すぎるおっ!!メインヒロインとして、
もうちょっと主人公に優しくしてくれお!」
ξ゚听)ξ「ツンデレに冒頭からデレを求めないでよ」
( ;ω;)「ちっくしょぉおおお!チェンジ!チェーーンジ!!
優しいしぃさん!
しぃさんとチェンジお願いしますお!」
ξ#゚听)ξ「しぃならギコとラブラブ中よ!今のアンタには私なの!」
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
20:19:00.46 ID:5aUo5Mih0
( ;ω;)「おっ……おぉ……」
( ;ω;)「僕は影が薄い……
ブーン系のメイン主人公なのに…目立たない……」
ξ#゚听)ξ「しめっぽいわねぇ」
ξ゚听)ξ「なによ……まったく」
ξ゚听)ξ「影が薄くったっていいじゃない」
ξ///)ξ「べ、別にアンタの魅力は私だけが知ってる、なんて
言いたいんじゃないんだからね!」
(;^ω^)「デレはっっっや!!!」
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:13:53.65 ID:v98nu92BO
- (;^ω^)「ついさっき、ツンデレに冒頭からデレを求めるなって
言ったばかりじゃないかお?」
ξ゚听)ξ「最近は、ツンデレがデレになるまで
じっくり落とすことの出来ない人が多くてねー」
ξ゚听)ξ「そんな最近の子供達に合わせた仕様となっております」
ξ゚听)ξ「名付けて ゆとりツンデレ」
(;^ω^)「計算高い女だおー……」
ξ゚听)ξ「生き残るためには必死よ」
ξ;゚听)ξ「気を抜くと、エロ厨達が
どんどん新しい女AAを生み出してくるんだからね…」
( ^ω^)(今日僕は、女性AAには
僕達男AAにはない切実な悩みがある事を知りましたお)
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:18:00.54 ID:v98nu92BO
- ( ^ω^)「女に生まれなくてよかったおー」
ξ゚听)ξ「なによ、男だって一緒よ」
ξ゚听)ξ「現にアンタ、最近他AAに食われてるんでしょ?」
( ;ω;)「思い出したお……」
ξ゚听)ξ「まぁ確かに、大分落ち着いたとはいえ
新しくやるお系ってジャンルもできてる今」
ξ゚听)ξ「アンタにも改革が必要かもね」
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:21:26.06 ID:v98nu92BO
- (#^ω^)「やる夫……アイツにだけは負けられないお…」
ξ゚听)ξ「そんな事言って、この前ケンカ売りに行って
みっくみくにされて帰ってきたくせに」
( ;ω;)「仕方ないんだおっ!!大きさが違いすぎるんだお!!
1行AAの僕が大型AAに力で勝てるわけないお!?
象と子猫だお!
近づくのも命がけだったお!!」
____
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ <なにこのチビwwwww
/⌒)⌒)⌒.
::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | |
\ / ) /
ヽ / `ー'´ ヽ / /
| | l||l 从人 l||l
l||l 从人 l||l バ
ヽ -一''''''"〜〜``'ー--、 -一'''''''ー-、 ン
ヽ
____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒)) バ
ン ((^ω^;))おっ…おっ…
( ;ω;)「指先ひとつで弾かれたお」
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:24:47.07 ID:v98nu92BO
- ( ^ω^)「せめてブーン系の中では、主人公としての
権威ってものを持ってたいお」
ξ゚听)ξ「そんな難しい漢字つかったらゆとりは読めないわよ」
(;^ω^)「せっかく読んでくれてる人を馬鹿にしすぎだお!
ツンからなにかゆとりに対する深い恨みを感じるお」
ξ゚听)ξ「別に………」
(;^ω^)「それももう古いお……」
ξ゚听)ξ「じゃあちょっと、アンタのキャラについて考えてみましょうよ」
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:26:38.61 ID:v98nu92BO
- ξ゚听)ξ「まぁ得てして主人公キャラってのは目立たないもんだけど」
ξ゚听)ξ「全体を通してのイメージが、
【優しい】【ピザ】くらいしかないのってつまらないわよね」
ξ゚听)ξ「ピザってむしろマイナスイメージだし……」
ξ゚听)ξ「まぁキャラクター付けとして、語尾の「〜お」があるけど…」
ξ゚听)ξ「台詞書いて変換押したら、ウチの辞書だと
『〜だお→だ汚』 『〜かお→顔』とかに
変換されて面倒くさい事に今日気付いた」
( ;ω;)「……なんかもうごめんなさいだ汚………」
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:29:15.39 ID:v98nu92BO
- ( ^ω^)「…ちょっと、ダイエットしてみようかお……」
ξ゚听)ξ「やめときなさいよ。キャラ付けが崩れるわ」
( ;ω;)「初めて気付く石ちゃんの苦悩…!
もうブーンにはオーバーオール着て全国の美味いもの食べて
「まいうー」って言うしか道はないのかお…!?」
ξ゚听)ξ(そういえば似てるわね)
ξ゚听)ξ「まぁ、いいじゃない。人がよさそうで
私嫌いじゃないわよ」
( ;ω;)「おぉ…たとえ計算だとわかってても
優しい言葉が身に沁みるお……」
ξ゚听)ξ(私だって計算ばっかりじゃないんだけどなぁ…)
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:31:58.32 ID:v98nu92BO
- キャーーーー!!キャーーーーーーー!!
( ^ω^)「おっ?」
ξ゚听)ξ「?なにかしら。騒がしいわね」
( ^ω^)「おにゃの子の黄色い声だお!行ってみるお!」
ξ゚听)ξ「そうね、野次豚め」
(;^ω^)「………お?」
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:34:25.61 ID:v98nu92BO
- ( )( )( )( )( )
キャーーキャーー
ξ゚听)ξ「凄い人だかりね…」
( ^ω^)「お……どうやら中に芸能人がいるみたいだお……」
( ^ω^)「お、チラッと見えたお」
キャーーキャーーー
\( ´_ゝ`)(´<_` )ノシ
キャーーSASUGA様ーーキャーーー
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:36:32.86 ID:v98nu92BO
- ξ )ξ「BUPOOOOOOOOU!!!!!」
Σ(;^ω^)「ツ、ツン!?どうしたお!?
(仏法?)」
((ξ*゚听)ξ))「さ……SASUGASS………」
(;^ω^)「さすがす?」
(;^ω^)「刺すガス?」
(;^ω^)「さすがッス?」
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:39:48.77 ID:v98nu92BO
- ξ*゚听)ξ「アンタ知らないの!?」
ξ*゚听)ξ「SASUGASS……今人気絶好調の国民的アイドル双子兄弟ユニットよ」
ξ*゚听)ξ「ムーンシャインダンパ、ゼリーエンジェル、スキャンダラスブルァーとか
聞いたことない?」
ξ*゚听)ξ「ボーカルのANI−JYAとシンセのOTO−JYAによる
アッー!っぽい妖しい雰囲気、
思わせぶりな歌詞、
そしてライヴの舞台上で繰り広げられる惜しげもないイチャつきで
一般女子から腐女子まで幅広く人気を獲得してるわ。
時にはライヴ中キスまでしたらしいわよ」
ξ*゚听)ξ「もう君なしでアッー!るけない〜♪」
(;^ω^)(なんか世代を感じるのは気のせいかお?)
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:41:49.42 ID:TDWjUoOA0
(;^ω^)「ふ………ふん。
早い話が、スイーツ(笑)と腐女子(キメェ)に媚売った
頭空っぽのジャニーズだお?
メイン主人公であるブーンの敵じゃないお」
ξ゚听)ξ「ちなみに親はあの流石父者総理大臣と母者防衛大臣、
ANI−JYAもOTO−JYAも東大を主席で卒業していて、
将来政界入りは間違いないと言われているわ。
アイドルになったきっかけはその時の卒業式。
女生徒達の声援にこたえて
校長を押しのけその場で一曲披露したところ、
偶然きていた超大手芸能プロダクションの社長の目にとまり
そのまま全国ツアーがはじまったとか。
でも芸能活動はあくまでファンと接する機会としての活動。
将来は外交官になって、より多くの人と接し
困っている人たちを助けていきたいと思っているそうよ。
カリスマも厚く、流石家のコネは
イタリアンマフィアにまで精通しているという噂」
(; ゚ω゚)「どんだけえええぇぇええおおおおおおおお!!!!」
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:42:02.69 ID:TDWjUoOA0
(;
゚ω゚)「どこの厨二が考えたらそんな設定になるんだお!?
パワーバランスめちゃくちゃじゃねーかお!
眉タン漫画じゃねーんだお!!」
ξ*゚听)ξ「事実なんだからしょうがないじゃない」
(;
゚ω゚)「いいや許されないお!
主人公より長い設定がついてるなんて許されないお!
いやむしろ【優しいピザ】だけの
ブーンがおかしいのかお!?」
ξ*゚听)ξ「どうだろー………」
(;^ω^)「………………ツン?」
ξ*゚听)ξ「………………」
(僕は……気付いてしまったお…………
ツンの目には……人だかりの向こうの
SASUGASSしか映っていないことに…………)
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:47:40.08 ID:v98nu92BO
- (#^ω^)「お、お……おおおおぉぉぉおおおおぉお!!!!」
ξ゚听)ξ「! ブーン!?」
(#^ω^)「許さないお!!!いくら僕の影が薄くっても……
メインヒロインまで渡すわけにはいかないお!!!」
「SASUGASS!!!勝負だお!!」
Σ( ´_ゝ`)(´<_` )
(;^ω^)「ハァ……ハァ……」
ξ;゚听)ξ「ち、ちょっとブーン!」
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:49:57.22 ID:v98nu92BO
- 「ヤダーナニアノピザー」
「キモーイ」
「SASUGAサマノマエニデナイデヨネー」
(´<_` )「………君…は?」
(;^ω^)「お前等に名乗る名などないっ!」
(
´_ゝ`)(´<_` )
(;^ω^)「ま、まぁそれじゃ困るだろうから……
嫉妬の炎に身を焦がした1人の男……
もう空気キャラには戻らないという思いをこめて…」
( ^ω^)「ラドン……とでも名乗っておこうかお……」
( ´_ゝ`)(´<_` )
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:52:04.76 ID:v98nu92BO
- (;^ω^)「いや、やっぱりちゃんと名乗るお。ブーンというお」
ξ゚听)ξ「私女だけど、嫉妬する男の人って格好悪いと思う」
(;^ω^)「うるさいおっ!!」
( ´_ゝ`)「ブーン君…かい?」
( ^ω^)「そうだお」
( ´_ゝ`)「ふーん………」
( ´_ゝ`)(´<_` )『かわいいね』
(;^ω^)「ッ!!!!?」
ズッギュウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:54:27.77 ID:v98nu92BO
- (;゚ω゚)(な、なんだお………なんだおこの感覚!!!)
痛み、かゆみ、痺れ、照れ、くすぐったさ、甘さ、目眩、なんだ、なんだ………
気持ちいいような、嬉しいような、
でも今すぐ吐いてしまいたいような、逃げ出してしまいたいような。
厳格で頑固で子供の気持ちをわかってくれなくて、
本当に大嫌いだった父に
成人になった日、「2人で飲みに行かんか」と誘われた時のような。
幼い頃喧嘩に負けて服を汚して、
泣きじゃくって帰宅した時
母親がなにも言わず洗濯してくれた時のような。
初めての行為の時、いい年こいて経験がなく慌てる僕に
店のお姉さん(かなり年下)が
「慌てなくていいから……ね?」と
苦笑いしながら優しく頭を撫でてくれた時のようなー……………………
( 抗 え な い )
気がついたら、腰が抜けていた。
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
21:57:51.05 ID:v98nu92BO
- (;゚ω゚)「な、なんでだお……!動け、動けぉ!!」
ξ;゚听)ξ「ブーン!だから言ったじゃない……
彼らのカリスマは厚いって!!」
(;゚ω゚)「カリスマなんだお!?これ、カリスマの力なんだお!?」
ξ;゚听)ξ「そうよ……彼らに見つめられたら、
男女問わずその魅力の虜になってしまう………
2人同時に声をかけられて、腰をぬかすだけですんでよかったわよ
ホラ、ブーンの向こうにいた女子達が
余波をうけて失禁している」
(;゚ω゚)「ちくしょう……どこのバンコランだお………!」
(´<_` )「何を言ってるのか…な?」
( ´_ゝ`)「尻もちなんかついて……大丈夫?
痛くなかったか?」
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
22:01:19.20 ID:v98nu92BO
- ANI−JYAが駆け寄ってきて、
助け起こそうと僕の肩を掴んだ。
(;゚ω゚)「ぁあうっ!!?」
瞬間、僕の背中を駆け抜ける電流のような刺激
(;゚ω゚)「ぁ……あ……らめ……」
言うまでもない事だが、僕にそんな気は毛頭ない。
ただ、この兄弟のカリスマ力が規格外すぎるのだ。
お願いだからこの男を止めてくれないか、と
隣りのツンを見たが、駄目だ。
彼女は大きな目をこれでもかとうるませ、
紅潮した顔でスカートの裾をギュッと掴み、
小刻みに震えてまでいる。
僕にそんな顔見せた事ない癖に、畜生。
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
22:04:07.98 ID:v98nu92BO
- そんな僕らの状態を知ってか知らずか、
座り込んだまま動かない僕を立たせようと
ANI−JYAの手が僕の尾骨のあたりを押した。
全身の神経がそこに集中したようになり、
下半身に血が溜まっていく。
(;゚ω゚)「あ、そ、そんなとこ……」
( ´_ゝ`)「どうした?ここが痛むのか?」
心配そうに腰を撫でられる。
反射的に背骨がビクつき、
体の最奥に火がついたような気がした。
も、もう、だっ………
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
22:07:30.62 ID:v98nu92BO
- (*;ω;)「………抱いてぉぉっ…!」
僕の意識外から涙と一緒に口をついて出た言葉に、
ツンがハッと息を呑んだ。
ξ;><)ξ「だ、駄目よブーーーーン!!」
バチコーン!!
(;)ω゚)「アウッチ!!!」
ツンの容赦ない張り手が僕の頬に炸裂。
おかげでANI−JYAの呪縛からは逃れられたが、
その衝撃で思わず
ぼくは
ビク((; ω ))ビクンッ
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/04(月)
22:13:33.10 ID:v98nu92BO
- (; ω )
(; ω )
( ω )
( ^ω^)「…ふぅーー……」
( ^ω^)「生まれかわったお」
( ´_ゝ`)「? なにが?」
( ^ω^)「いや、こっちの話だお…
あ、ありがとうだお」
(#^ω^)「改めて、SASUGASS…勝負だおっ!!
僕を公衆の面前で辱めた罪は重いお!!!」
(´<_` )(辱めた……?)
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:06:48.07 ID:wRniTRH9O
- ( ´_ゝ`)「なんで俺達が……君と勝負を?」
(;^ω^)「え!? えーと…なんか、なんかムカつくんだお!!」
(#^ω^)「大体どう見ても日本人なのに
ANI−JYAとかOTO−JYAとか呼びにくいんだお!
以後は兄者、弟者でいかせてもらうお!」
(#^ω^)「あと、その厨二設定がムカつくお!
主人公より目立つんじゃねーお!!
イケメンが多い話は萎えるんだお!」
(#^ω^)「お前等がそんな目立つせいで、僕や他キャラの影が薄くなるんだお!
みんなのために自重するべきだお!」
(#^ω^)「あと、腐向けムカつくお!媚びんなお!!」
ξ゚听)ξ「嫉妬乙」
(#;ω;)「うっるさいおおおおおぉぉおお!!」
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:14:11.69 ID:zqKHh4dW0
- ( ´_ゝ`)「ふむ……どうする?弟者」
(´<_` )「うーん………」
弟者が兄者の隣りにきて唸った。
考える時の癖なのか、弟が兄の手を取り握り、
指の一本一本を弄りはじめる。
兄はそちらを見ることもなく、弟にされるがままだった。
全体的に細いが、関節は太い指どうしを絡ませる動きはなんとも自然で、
彼らがいつもそうしているのである事を想像させる。
伏目がちの兄者の首筋に弟者が顔を近づけ、
「兄者はどうしたい?」と問いた。
2人とも高身長だが、
よく見ると弟のほうが少し高いらしい。
しかし双子の彼らがそうしているとまるで鏡合わせのようだ。
兄者がくすぐったそうな顔をして
弟者の肩を掴み「よせよ…こんなところで」と苦笑いした。
対する弟者は「うん?なにが?」と
意地悪そうな笑みを浮かべさらに兄者の首筋に唇を
(;゚ω゚)「なんでそんなどうでもいいところばっかり
やたら描写があるんだおおおおおぉ!!?」
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:19:36.86 ID:zqKHh4dW0
- ( ´_ゝ`)「そんな大きな声を出さないでくれ。俺達は臆病なんだ」
(´<_` )「うむ。ビックリして少々漏らしてしまった」
(;゚ω゚)「小動物かお!!!」
キャーキャーキャーオモラシキャーキャー
(;゚ω゚)「そこで盛り上がるのかお!?訳わかんねーお乙女心!!」
( ´_ゝ`)「ハハ、誤解しないでくれよ。
大じゃなくて小のほうだから」
(;゚ω゚)「そういう問題じゃねーーーお!!!
爽やかに言うなお!!」
- 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:27:27.04 ID:zqKHh4dW0
- ( ´_ゝ`)「さて、こんな臆病で細身で
コードギアス体系の俺らだから、
できれば争いごとは避けたいわけだが」
(;^ω^)「ふ……ふん!馬脚をあらわしたおね!
格好つけてアイドルなんかしてイケメンで
東大主席で金持ちっていったって、
勝負もできないようじゃ男とは言えないお!
所詮お前等はスイーツ(笑)のための餌なんだお!」
ξ#゚听)ξ「ちょっとブーン、言い過ぎ………」
(´<_` )「いや、いいんだお嬢ちゃん。本当のことだから」
( ´_ゝ`)「ああ、俺達自身に力なんてなにひとつない。
こうやって芸能界にいれているのも、
応援してくれる皆の力だ」
(;^ω^)「……………」
(´<_`
)「俺達に唯一できること、それはー…」
( ´_ゝ`)「みんなのために、歌う事だけ…………」
キャアアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:35:11.20 ID:zqKHh4dW0
- 人々の興奮が最高潮に達した時、ライヴははじまった。
どこからともなくやってきた黒子達が道路にセットを組みはじめ、
空気をよんだ商店街のおばちゃん達が店を閉める。
警備員が群がる女子達を一箇所に押しまとめ、
交通整理をはじめた。
兄弟はタイツのようにピッチリした
黒レザーパンツの股間からマイクとシンセを取り出し、
颯爽とステージに立つ。
歓声がいっそう大きくなり、野次馬から観客へと名を変えた人々は
千を超えるのではないかという程集まっていた。
(
´_ゝ`)(´<_` )『今日は俺達のために集まってくれてありがとう』
キャーキャーキャーキャーキャーキャー!!
ξ* 凵@)ξ「………」
色とりどりのライトに照らされた僕のメインヒロインは、
熱にうかされた顔で上を見ている。
興奮を押さえるかのように手が胸の前であわされていた。
僕はそれを、地べたに這いつくばって見上げる。
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:40:14.40 ID:zqKHh4dW0
- 曲がはじまり、兄弟が
腰をクネクネとくねらせながら歌いはじめた。
即興のセットとは思えない大音量だ。
耳が痛い。
なるほど、ツンの言っていた通り
尋常じゃない絡み方だ。
よく歌いながらそんなに近づけるもんだ。
普段なら、
「ウホッ」とか、「アッーッ!」とか、
「801に帰れ」「巣から出るな腐」「VIPから出ていけ」とか
煽りまくる僕も、
ここまでガチに目の前で絡まれちゃ言葉が出てこない。
ああ、確かにキスした。
あれ入ってるよね。
ちょっと怒鳴られたくらいで漏らしてしまうほど臆病なくせに、
どうしてこの大観衆の前でああも堂々としていられるのか。
背後からのライトが痛いほど眩しい。
眩しいのは、ライトのせいだ。
- 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:47:44.29 ID:zqKHh4dW0
- 立ち上がった僕にツンは気付かない。
更に見上げると、ステージの上の兄弟が僕を見ていた。
( ´_ゝ`)(´<_`
)
汗を散らして歌っているが、
確かにその視線は僕のほうを向いている。
決して、
「キャー!今私の事見てた!!」
とか言って、半径10M以内の人がみんなそう思っているとか
そういう現象じゃない。
間違いなく僕を見ている。
ああ、彼らは今、僕のために歌ってくれているんだ。
突然飛び出して、嫉妬のまま罵詈雑言をぶつけた僕のために。
(*;ω;)o彡゜「ムンシャインダンッ!ムンシャインダンッ!」
誰よりも大きな声でリズムにのる。
兄弟が僕にウインクをよこした。
視界はぼやけたが、心は素晴らしく晴れやかだった。
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
00:56:15.87 ID:zqKHh4dW0
- ――――――――――――――――――――――
………………………………
…ライヴは最高潮のまま終了。
すぐにも彼らに謝りたくて飛びついたのだが
ファンにもみくちゃにされ吹っ飛ばされ、
いつのまにか握手会の列に並ばされていた。
兄弟と再び対面できたのは1時間後。
( ´_ゝ`)「やぁ、ブーン君」
(´<_`
)「楽しんでもらえたかな?」
( ;ω;)「勿論ですお……
ブーンは、ブーンは謝らないといけませんお…
突然インネンつけて、酷い事ばかり言って…」
( ;ω;)「自分の影の薄さを、他人のせいにしてましたお……」
( ;ω;)「自分自身を変えようともせずに、僕は………」
( ´_ゝ`)「気にしないでいい。こんな身の上の俺達だ、
煽りには慣れてる」
(´<_` )「自分について悩む事は誰だってあるさ。
そうして皆成長していくんだ」
- 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:03:05.56 ID:zqKHh4dW0
- ( ´_ゝ`)「でも、君が影が薄いっていうのは大きな勘違いだな」
( ;ω;)「おっ…そんな、慰めなんていいんですお……」
(´<_` )「後ろ、見てごらん」
( ;ω;)「お……?」
振り向いた先に伸びる僕の影。
その上にかぶさる、もうひとつの影。
ξ*゚听)ξ
( ^ω^)「……ツン…」
ツンが僕の影の上に立っていて、
僕の影は2人分の濃さになっていた。
- 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:06:55.59 ID:zqKHh4dW0
- ( ^ω^)「ツン…いいんだお?こんな僕で」
ξ*゚听)ξ「私がいつ、アンタがダメだって言ったのよ」
ξ*゚听)ξ「ほら、濃いでしょ。アンタの影。
これで満足?」
( ;ω^)「……ツン…」
( ;ω;)「ありがとうだお…ありがとうだお……
僕、頑張るおぉ……」
ξ*゚听)ξ「もう、恥ずかしいわね!泣かないの!
頑張るんでしょ?
仕方ないから、私も付き合ってあげるわよ!」
( ;ω;)「ツン……大好きだおぉ……」
ξ*゚听)ξ「……もー、バカ」
- 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:11:22.13 ID:zqKHh4dW0
- ツンが僕の背中に手をまわして抱きしめてくれた。
照れているのがわかる随分とぎこちない抱擁だったけど、
体温の温かさに更に泣けてきた。
僕はきっと頑張れる。
ツンが一緒にいてくれるなら。
後ろの人「ちょっと!早くしなさいよ!!あと詰めてんのよ!」
お前に全力でKYの言葉を送る。
- 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:17:16.49 ID:zqKHh4dW0
- ξ;゚听)ξ「あっと、スイマセン私ったら。えっとー…」
( ´_ゝ`)「ああ、次はお嬢ちゃんの順番だったね」
( ´_ゝ`)「はい、握手」
ぎゅっ
ξ///)ξ「あっ……はい……あああありがっ……あぁぁあ…」
(´<_` )「いいものを見せてもらったよ、彼氏と仲良くね」
ぎゅっ
ξ///)ξ「あっ…あぅっ……ち、違っ……
あの人は彼氏なんかじゃっ………」
- 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:21:10.29 ID:zqKHh4dW0
- ( ´_ゝ`)「そんな照れちゃって。かわいいなぁ」
ξ///)ξ「っはっ……!!
あ、あっ……違…ほんとぉにぃ……!
だって、だって私はっ……
SASUGASS様をぉぉ………」
( ´_ゝ`)「ふふ、そんな事いうと彼氏が怒っちゃうよ?」
(´<_` )「でもありがとう。嬉しいよ」
ぽんぽん(肩をたたき)
ξ*///)ξ「あぅんっ!!
や、やっ…そ、そんなとこっ…
ひゃ、あ、あ、ん、も、もぅらめっ……
アタシ、だ、
抱いてえぇぇっ……………・!!」
( ω )
- 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:26:09.60 ID:zqKHh4dW0
- その場は地獄絵図と化した。
僕は泣き叫びながら机をひっくり返し機材を叩き壊して
コンクリをかち割り店のガラスを割り
ツンの服を剥ぎ近くにいたスイーツ共の服も破り捨ててやった。
流石兄弟が止めに入ってきたので
彼らの服も引き裂いてやる。
隠されていた象牙のようになめらかな肌が外気に晒されて
瞬間
僕や観衆も含めみんなの時間が止まった。
その場にいる者全ての視線が
倒れこんだ兄弟の肌一点に集中し、
なんだか服を直していい空気じゃなくなったので
兄弟はそのままさらにファッショナブルに服を着崩し
モデルポーズで立ち上がった。
湧き上がる歓声。開かれる撮影会。
夢中で最前列で写メっていると、後ろから肩を叩かれた。
警察だ。
しまった、罠だったのか…!
- 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:32:35.80 ID:zqKHh4dW0
(;^ω^)「捕まって…たまるかおおおおおおおおおおお!!!!」
走って、走って、逃げきった。
しかし家に帰ることはできない、警察が張っている。
安心できる場所は、どこだ――…!?
(■A■)『ええ、普段は大人しい奴でした』
(´■ω■`)『まさか彼がこんなことをするなんて――…』
次の日、友人達のインタビュー付きで
僕の起こした事件が新聞の一面を飾っていた。
- 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:37:26.75 ID:zqKHh4dW0
- 『国民的アイドル流石兄弟、暴漢に襲われる!!』
前代未聞の大事件に日本中が震撼。全国民総激怒。
赤ん坊ですら街角インタビューで「KO・RO・SE!」コールをする始末。
その重大さにふさわしい大捜査網がしかれ、
日本政府はイタリアンマフィアの導入も検討しているらしい。
今、この国内で僕の名前を知らない奴はいない。
誰1人として「影が薄い」なんて言う奴はいないだろう。
拾った新聞を放り捨てた。
空では、おそらく僕を探しているんだろう軍用ヘリが
バラバラとうるさい羽音をたてている。
薄暗い路地裏では
僕の影も周囲のビルの影に押しつぶされ、見えない。
( ^ω^)「……ここまで目立ちたかったわけじゃねーお…」
………常識的に考えて………。
- 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火)
01:39:37.22 ID:zqKHh4dW0
〜Fin〜
あとがき
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